Svarta rosor Op.36-1 6 Laulut |
ブラック・ローズ 6つの歌 |
Säg,varför är du så ledsen i dag, du,som alltid är så lustig och glad? Och inte är jag mera ledsen i dag än när jag tyckes dig lustig och glad; ty sorgen har nattsvarta rosor. I mitt hjärta där växer ett rosendeträd, som aldrig nånsin vill lämna mig fred, och på stjälkarna sitter det tagg vid tagg, och det vållar mig ständigt sveda och agg; ty sorgen har nattsvarta rosor. Men av rosor blir det en hel klenod, än vita som döden,än röda som blod. Det växer och växer. Jag tror jag förgår, i hjärtträdets rötter det rycker och slår; ty sorgen har nattsvarta rosor. |
教えて、今日のあなたはどうしてそんなに悲しそうなの いつもはとても陽気で明るいあなたが? わたしはもう悲しくはないわ あなたがわたしを陽気で明るいと思っていたときほどには 悲しみのバラは夜のように真っ黒なの 私の心の中では バラの木が育っているの 私の心を決して安らげないようにと その茎にはあちこちにとげが生えていて 絶え間ない痛みと苦しみを与えている 悲しみのバラは夜のように真っ黒なの でもバラの木からは美しい宝が咲き出でる 死のように白い花、血のように赤い花 木はどんどんと育っていき 私はすぐにも倒れそう その根が私の心を引き裂くから 悲しみのバラは夜のように真っ黒なの |
先日亡くなったスウェーデン出身の大歌手ビルギット・ニルソンといえば、ワーグナーのブリュンヒルデやプッチーニのトゥーランドットなどを得意としたドラマティックソプラノでした。
おそらくあちこちのサイトで彼女のオペラでの活躍は紹介されるものと思いますので、私としては彼女の歌曲における知られざる(少なくとも日本では)名品をご紹介して追悼の意を表したいと思います。オペラの歌手というとあまりリートの類いは歌わないことが多く、また歌っても繊細さに欠けた大味なものになって興醒めな思いをすることが少なくありません。すべてがそうというわけではありませんが、ワーグナーなんかを得意にしているドラマティックな歌手たちからはそんな印象を受けることが非常に多いです。
彼女もそんなひとりで、何曲か北欧の歌曲を歌ったものを聴いたことがあるのですが「それはちょっと違うだろ」と突っ込みたくなるような柄の大きな歌でした。それというのも聴いたのがひなびた味が魅力のグリーグや、繊細な響きが身上のラングストレームだったりしたのが彼女の美質と必ずしもマッチしていなかったところにあります。
他方同じ北欧の歌曲でもシベリウスの音楽は濃密なロマンがオペラ顔負けだったりしますので、彼女の魅力が引き立つレパートリー、特にオーケストラの伴奏で歌われたものは身震いするような演奏です。
既に取り上げた「逢い引きから帰った少女」や「あれは夢だったのか」など、濃厚で美しい旋律が堂々と歌われてこの上もないような宝物だと思いますが、今回は別の曲を。こいつも冒頭の美しいメロディはリヒャルト・シュトラウスの楽劇を連想させます。最後は悲鳴のように悲痛に暗転してしまうところなども含め、オペラの一場面のよう。彼女の力強い声がここでは大変魅力的に響きます。
彼女にはこの曲を含めシベリウスの歌曲をピアノ伴奏で歌ったものもあるようですが、書きました通りやはりオケ伴奏の方が引き立つように思います(ピアノ版はAmazon.comで試聴しただけなのでフェアな比較ではないですけれど)。
幸い最近出た、Birgit Nilsson Anniversary Album(2枚組)にこの曲含めシベリウスが7曲、Bertil Bokstedtの指揮のウィーンオペラ管の伴奏で収録されています。上ではグリーグやラングストレームの演奏を悪く書きましたがこれは私の趣味と違うというだけですので、同じCDに収録されている彼らの歌曲もまずは聴いてみてください。
よく考えれば北欧ってヴァイキングの国なんですよね。「楚々としたすがすがしい」なんて音楽ばかり期待することが大きな勘違いなのかも知れません。
(いつもはスウェーデン語の辞書で語彙のチェックをするのですが、今回はとり急ぎということで、複数の英訳をつき合わせてフィーリングで訳しています。
大きな誤訳などあるかと思いますがご容赦ください)
( 2006.01.13 藤井宏行 )