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片足    
 
 
    

詩: 北原白秋 (Kitahara Hakusyuu,1885-1942) 日本
    東京景物詩及其他  

曲: 團伊玖麿 (Dan Ikuma,1924-2001) 日本   歌詞言語: 日本語


花が黄色で、芽がしよぼしよぼで、
見るも汚ない梅の木に
小鳥とまつて鳴くことに、――
あれ、あの雪の麦畑(むぎばた)の、つもつた雪のその中に、
白い女の片足が指のさきだけ見えてゐる。

はつと思つて佇ずめば、
小鳥逃げつつ鳴くことに、――
何時か憎いと思うたくせに、
卑怯未練な、安心さしやれ、
あれは誰かの情婦(いろ)でもなけりや、
女乞食の児でもない。
一軒となりの杢右衛門(もくよむ)どんの
唖の娘が投げすてた白い人形の片足ぢや。



( 2018.04.15 藤井宏行 )


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