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Pause   M.78  
  Chansons madecasses
休息  
     マダガスカル島民の歌

詩: パルニー (Évariste Desiré de Forges,vicomte de Parny,1753-1814) フランス
      

曲: ラヴェル (Maurice Ravel,1875-1937) フランス   歌詞言語: フランス語


Il est doux de se coucher,durant la chaleur,sous un arbre touffu,
et d'attendre que le vent du soir amème la fraîcheur.

Femmes,approchez. Tandis que je me repose ici sous un arbre touffu,
occupez mon oreille par vos accents prolongés. Répétez la chanson
de la jeune fille,lorsque ses doigts tressent la natte ou lorsqu'assise
auprès du riz,elle chasse les oiseaux avides.

Le chant plaît à mon âme. La danse est pour moi presque
aussi douce qu'un baiser. Que vos pas soient lents; qu'ils imitent les
attitudes du plaisir et l'abandon de la volupté.

Le vent du soir se lève; la lune commence à briller au travers
des arbres de la montagne. Allez,et préparez le repas.

こんな暑い日の午後には木陰で寝そべるのが最高だ
ここで夕暮れの風が涼しさを運んでくるのを待つとしよう

女たちよ、ここへ来て、木陰で安らぐ私のもとで
私の耳を素敵な音楽で満たしてくれ
もう一度歌っておくれ。乙女たちの髪を梳く歌や
田んぼの鳥たちを追い払う乙女の歌を

歌声は心を喜ばせ、踊りはまるでキスのように甘い
足取りは穏やかに、そして喜びを表してくれる
恍惚で我を忘れるかのように

そよ風が吹いてきた。月も山の上に輝いている
さあ、これから夕ごはんのしたくだ


夏もいつのまにか終わりになりました。南の島、マダガスカルの暑い午後は、こんな感じでぐったりと休むのが最高なのでしょうね。若い女ばかりに仕事をさせてぬくぬくと怠けるなんて、という違和感を感じる方もおられるかもしれませんが、まあよその国のよその時代の話なのであまり文句を言うのも筋違いかと。
けだるい暑さの中、まるで夢をみているかのような情景。確かにこれは若い女性に囲まれたハーレム状態のようですから現実ではなくて実は暑さの中で見る妄想なのかも知れません。で、涼しくなったらふと我に返る(ごはんつくんなきゃ と)...
フルートが物憂げな旋律を奏で、チェロがそれに絡みます。ピアノの音がほとんど耳に付かないのは見事な編曲。国籍不詳の不思議な雰囲気がなんともいえません。

( 2005.08.27 藤井宏行 )


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