The swing |
ぶらんこ |
How do you like to go up in a swing, Up in the air so blue? Oh,I do think it the pleasantest thing Ever a child can do! Up in the air and over the wall, Till I can see so wide, Rivers and trees and cattle and all Over the countryside - Till I look down on the garden green, Down on the roof so brown - Up in the air I go flying again, Up in the air and down! |
ぶらんこに乗るってどんな気分 こんなに青い空に昇っていくのって? うん、一番楽しい遊びさ 子供の遊びの中では一番ね 空高くそして塀を越えて とっても遠くが見えるところまで昇るんだ 川も 森も 牛もみんな 村中すべてが見渡せるところまでね 緑のお庭の見えるところまで 茶色の屋根の見えるところまで 大空の中 また昇る 大空の中 昇って舞い降りるんだ |
児童文学の名作「宝島」を書いたイギリスの作家スチーブンソンは、また子供の目線で書いたたくさんの可愛らしい詩を残しています。
その中のひとつ「ぶらんこ」は、同じ題材を取り上げた日本の童謡(都築道代作詞・芥川也寸志作曲「ぶらんこ」)と同じように歌になっています。作曲したのは歌手にして作曲家のリサ・レーマン、Naxosから出ているイギリス歌曲シリーズ(原盤はCollinsレーベル)にも作品集がある、イギリスの歌曲作曲家の中でも重要な人のひとりです。
日本の歌の方の「ぶらんこ」がゆったりと漕ぐ3〜4歳くらいの子供のイメージの穏やかな曲なのに対して、こちらの歌の方は詩をご覧頂ければ予想が付くようにとてもダイナミック。7歳か8歳くらいの子供が立って思い切り大きく漕いでいるイメージそのままにメロディも激しく飛翔します。まるで空を飛んでいるかのように。
Naxosのレーマン歌曲集で、この人の他の魅力的な作品と一緒に聴くのも良いですが、この曲に関してはChandosにある”Favorite English Songs”のフェリシティ・ロットの歌がとても印象的です。まるで天駆けるかのような艶やかな声とピアノ(グレアム・ジョンソン)、ちょっとこの曲の柄が大きくなりすぎたきらいもありますが(もはや童謡ではなくなっている)名演だと思います。
この詩にはなぜか、フランスで活躍したレイナルド・アーンも曲を付けているようです。これも非常に興味深い取り合わせですので機会があれば聴いてみたいものです。
( 2005.08.17 藤井宏行 )