Nahandove M.78 Chansons madecasses |
ナアンドーヴ マダガスカル島民の歌 |
Nahandove,ô belle Nahandove! L'oiseau nocturne a commencé ses cris, la pleine lune brille sur ma tête, et la rosée naissante humecte mes cheveux. Voici l'heure: qui peut t'arrêter,Nahahndove, ô belle Nahandove! Le lit de feuilles est préparé; je l'ai parsemé de fleurs et d'herbes odoriférantes; il est digne de tes charmes. Nahandove,ô belle Nahandove! Elle vient. J'ai reconnu la respiration précipitée que donne une marche rapide; j'entends le froissement de la pagne qui l'enveloppe; c'est elle,c'est Nahandove,la belle Nahandove! Reprends haleine,ma jeune amie; repose-toi sur mes genoux. Que ton regard est enc hanteur! Que le mouvement de ton sein est vif et délicieux sous la main qui le presse! Tu souris,Nahandove,ô belle Nahandove! Tes baisers pénètrent jusqu'à l'âme; tes caresses brûlent tous mes sens; arrête, ou je vais mourir. Meurt-on de volupté, Nahandove,ô belle Nahandove? Le plaisir passe comme un éclair. Ta douce haleine s'affaiblit,tes yeux humides se referment,ta tête se penche mollement,et tes transports s'éteignent dans la langueur. Jamais tu ne fus si belle, Nahandove,ô belle Nahandove! Tu pars,et je vais languir dans les regrets et les désirs. Je languirai jusqu'au soir. Tu reviendras ce soir, Nahandove,ô belle Nahandove! |
ナアンドーヴ、おお可愛いナアンドーヴよ 夜の鳥がさえずり始めたよ 真ん丸のお月様が頭の上に昇り 夜露でぼくの髪の毛は濡れてしまった ほら、時間が来たよ どうして来ないんだい ナアンドーヴ? おお 可愛いナアンドーヴ! 木の葉のベッドの準備はできている 花と良い香りの干草で飾ったんだ きみの魅力にふさわしいようにね ナアンドーヴ、おお可愛いナアンドーヴよ あのこはやってきた。足早にやってくる荒い息遣いをぼくは感じるんだ それに腰布の衣擦れが聴こえる あのこだ。ナアンドーヴが来た。可愛いナアンドーヴが! 息を静めて、いとしい人よ、ぼくのひざの上でおやすみ なんてすてきな瞳だろう。そしてきみのドキドキする胸 押し当てたぼくの手のひらの下でなんて生き生きしてるんだろう! この微笑み、ナアンドーヴ、おお可愛いナアンドーヴよ! きみのくちづけは ぼくの心の底までとろかせ きみの愛撫は ぼくの体を燃え立たせる、もうやめて。 ぼくは死にそうだ。喜びのあまりに死んでしまうよ ナアンドーヴ、おお可愛いナアンドーヴよ 幸せな時は稲妻のように過ぎ去り、きみの甘い吐息も静かになった 潤んだ瞳は閉じられて、きみの頭も疲れてぐったりしてる。 恍惚感はけだるさの中に消え去ったああ、最高だったよ、 ナアンドーヴ。おお可愛いナアンドーヴよ おまえはもう帰ってしまう。ぼくは寂しさと物足りなさで苦しい きっとまた陽が沈む時まで悲しいだろう 今晩もまたきてくれるよね ナアンドーヴ。おお可愛いナアンドーヴよ |
南の島の音楽をこの夏たくさん取り上げようと、久しぶりにこの音楽をじっくりと聴いてみました。詞も原詩を何度も読み返したあとに聴いてみたら実に面白い。この詞の情景をもしそのまま映像にしたら、かなり過激なアダルトビデオ作品ができるような気がします。南の島の若い恋人たちの熱い暑い一夜を歌ったこの歌、おおらかな愛の喜びを描いているはずなのですが、「文明人」はどうしてこう下卑に感じてしまうのでしょうか?
(おまえの翻訳が下品だからだ、という批判は却下します。この原詩を読み込めば読み込むほど既訳の品の良さは的外れでは
ないかと思えてならないのです)
けっこう女声でも歌われることが多い歌のようですが、歌われる方はこの詩をどう感じ取っているのでしょうか。プーランクの 陽気な歌のように意図的に下品を狙ったものでない分、じっくり読むと本当に艶かしい詩だと思いますけれども...
その上ラヴェルという人は音楽を精緻に書くだけに、官能的な音の表現もまた実に艶かしく響きます。南の島のリゾートをロケ地に、ラヴェルのこの伴奏音楽でAVを撮ったら...とまたイケナイ想像をしてしまうとんでもない作品なのでした。
伴奏楽器がフルートとチェロとピアノの掛け合い、という組み合わせもGOODです。歌はやっぱり最近出たコジェナーの歌がBGMには艶かしくてピッタリですかね。
(イケナイ想像から抜けられない私...でもエロチックな表現が最も得意なのはやはりクラシック音楽ですよね。お下劣な人が実は多いのだろうか?)
( 2005.07.10 藤井宏行 )