TOPページへ  更新情報へ  作曲者一覧へ


UMACHIDO    
 
 
    

詩: 宮永英一 (Miyanaga Eiichi,1951-) 日本
      

曲: 宮永英一 (Miyanaga Eiichi,1951-) 日本   歌詞言語: 日本語


詩:著作権のため掲載できません。ご了承ください


沖縄のうたというと非常に多くのアーティストが日本の音楽シーンに貢献しているからでしょうか、その独特の音楽スタイルもあいまってひとつの音楽ジャンルを形成しているかの感があります。大きなレコードショップにいけば沖縄というだけで1コーナーを作って民謡からインディーズ・ロックまで無差別に並べていたりしてとても面白いのですが、もうひとつ私が面白いなと思っているのは、レコード会社の多くが「沖縄ベスト」というようなコンピレーション(集成)アルバムを競って出しているということです。しかもそのいずれもが自社の音源だけでなく、競合他社の録音でもいいと思ったものをライセンスを受けて収録していることで、「花(すべての人の心に花を)」や「島唄」「涙そうそう」などのいろんな人がカヴァーしている曲の競演を楽しめたりすることなのです。
レーベルの壁を超えてベストの選曲をするということは、プロデューサーのセンスの良し悪しがもろに出るということでもあります。今出ている各社のをすべて聴いているわけではありませんが、私の趣味に一番良く合っていて素晴らしい選曲をしてくれているのがテイチクの「美(ちゅ)ら歌よ」のシーリーズ。現在第4集まで出ていますが、オキナワンポップスの王道をいく作品ばかりでなく、嘉手刈林昌や川田房枝などの伝統的な島唄も入れれば、地元のインディーズレーベルでしか手に入らないような知られざるロック作品(私が知らないだけか?)なども幅広く収録するその懐の広さが魅力的です。

そんな中でも特に私が唸らされたのがこの宮永英一さんのうた。このアルバム(第2集)を聴かなかったら絶対に知ることのなかった人だと思うのですが、流れてきた沖縄のお祭りの音楽の激しいリズムに思わず耳をそばだててしまいました。そんな伝統のリズムとメロディに乗せてロックンロールをやる、というのはとてもカッコいいです。
まあ、意地悪く聴くと甲斐よしひろとゴダイゴの音楽を足して2で割ったようなちょっとどこかで聞き覚えのあるサウンドではあるのですが、そんな懐かしいサウンドに沖縄言葉の詞を付けてパワフルに歌われるとやはり素敵。琉球の歴史や文化に根ざした歌詞も(背景となる知識が十分でないのでよく理解できているわけではないのですが)素晴らしいと思いました。
掛け合いの「スーリ」や「サッサ」などの掛け声も鮮烈に爆発するようなお祭りの喜びを歌います。
「他村ん 他島ん 御万人(うまんちゅ) うち揃(すり)い めんそーれ」のフレーズが特に印象的
途中で歌詞が英語になるのはちょっとゴダイゴっぽくて趣味が分かれるところですが、お祭りの喜びが世界の平和への祈りに繋がっていくエンディング
「今日(ちゅう)や世界ぬ 御祭(うまちー)どー」
はとても爽快にキメてくれます。
この宮永さんのうた、よほど評判が良かったのか引き続き「美ら歌よ」の第3・4集でも1曲ずつ収録されています。

調べてみると、彼は1970年代には沖縄のハードロックバンド「紫」のメンバーとして活躍し、本土でも知られていたのだそうですが、当時私は真面目な小学生でロックというのは不良の聴く音楽だと思っていたものですから(ゴメンナサイ)、その時代の活動は全く知りませんでした。

沖縄のBBTVのサイトでは、この歌を地元のエイサーや民謡舞踊団のひとたちが舞う中、ドラムを叩いて熱唱する宮永さんの姿が拝めました。生年が1951年ですからロックを全力でやるにはもう結構な年齢のはずなのですがとにかくパワフル。沖縄音楽の知られざる魅力的な側面を(とかくしみじみ系ばかり取り上げられるので、こんなのももっと知られて良いかと)掘り出して紹介してくれたテイチクのプロデューサーにも感謝です。

www.okinawabbtv.com/wake_up/wakeup.html

( 2005.06.29 藤井宏行 )


TOPページへ  更新情報へ  作曲者一覧へ