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平城山    
  短歌連曲三部作
 
    

詩: 北見志保子 (Kitami Shihoko,1885-1955) 日本
      

曲: 平井康三郎 (Hirai Kozaburo,1910-2002) 日本   歌詞言語: 日本語


人恋ふは 悲しきものと 平城山に 
もとほり来つつ たえ難かりき

古へも 夫(つま)に恋ひつつ 越へしとふ
平城山の路に 涙おとしぬ


まだ若き平井の作品ですが、かつては彼の代表作として紹介されておりました。お得意の日本情緒が見事に表出された美しい歌ではあるのですが、いかんせん言葉が古くなってしまいました。「もとほり来つつ」なんて言われても解説がなくては情感が伝わってこなくなると、万人のための愛唱歌としては苦しいものがありますでしょうか。
平城山(ならやま)とは、読みからも分かりますように奈良の県北にある丘陵地帯で、歴史的に由緒正しいところです。歌人の北見志保子はこの地を巡りながら、仁徳天皇の恋物語に自分の悲しい恋を重ねてこの2首を書いたのだといいます。

( 2017.12.30 藤井宏行 )


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