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Při řekách babylonských   Op.99-7  
  Biblické Písně
バビロンの川のほとりに  
     聖書の歌

詩: 聖歌 (Hymn,-) 
    旧約聖書・詩篇 137 

曲: ドヴォルザーク (Antonín Leopold Dvořák,1841-1904) チェコ   歌詞言語: チェコ語


Při řekách babylonských,
Tam jsme sedávali a plakávali,
Rozpomínajíce se na Sion.
Na vrby v té zemi
Zavěšovali jsme citary své,
A když se tam dotazovali nás ti,
Kteříž nás zajali,
Na slova písničky říkajíce:
Zpívejte nám některou píseň Sionskou,
Odpovídali jsme:
Kterakž bychom mohli zpívati
Píseň Hospodinovu
V zemi cizozemců?
Jestliže se zapomenu na tebe,
O Jeruzaléme,
O,zapomeniž i pravice má umění svého.

バビロンの川のほとり、
そこに座って我らは涙を流す
シオンのことを思いながら
陸の柳の木に
我らの竪琴をつるそう
我らに辱めをもたらした人々が
我らを連れ去った人々が
嘲りの言葉でこのように求めようと
「シオンの歌を歌えと」
我らはこう答えよう
「どうして歌うことができようか
主を讃える歌を
このような異郷の地で?」
もし汝を忘れることがあれば
おお、エルサレムよ
我が右手は動かなくなるがよい


チェコ語の旧約聖書・詩篇の言葉に曲をつけた作品ですが、なんだか黒人霊歌に通じるどっぷり浸り込むようなメロディが特徴的な不思議な味わいを持つ曲です。
詩の内容もそういえばスピリチュアルそのものの題材ですし、ドヴォルザークも意識して書いたのかなと思って調べてみたら、新世界交響曲やチェロ協奏曲同様、彼がアメリカ滞在中に書いた曲のひとつでありました。もしかするとアメリカの黒人音楽を研究している中でインスピレーションが湧いて作った曲なのかも知れませんね。
望郷の想いが、明るくなったり暗くなったりする旋律で歌われてなんとも奇妙なところもありますが、黒人霊歌同様、かみしめる程に味わいの出る曲だと思います。
この曲はフィッシャー・ディースカウの実に巧い歌唱が聴けるのですが(DG)、残念ながらドイツ語版ですので、ここでは、ベニャチコヴァのソプラノにピアニストのフィルクスニーが絶妙の伴奏を付けた両者にとってお国物のチェコ歌曲集(BMG)を挙げておきましょう。チェコの歌曲を聴くのならまず最初にこの1枚というのに私もやぶさかではありません。残念ながら10曲ある「聖書の歌」のうち3曲しか収録されておりませんが、「雪やこんこん」にソックリな前奏が忘れがたい「神をたたえて歌え」が収録されていますし、彼の歌曲の中では一番有名な「わが母の教えたまいし歌」も絶品の美しさの歌唱で収録されております。ピアノ伴奏の間合の取り方が最高にいいです。
(1999.07.11)

全曲を取り上げるのを期に訳を全面的に見直しました。ごくごく初期の訳だったため、チェコ語の原詩は見ていないのはおろか、ドイツ語や英語の訳にも従っていないというかなり雑なものでしたので、これを今までご参照頂いておられた方があれば申し訳ございません。今回の改訂で良くなったという保障はないのではありますが...
これも大変有名な詩篇(第137番)からです。ヴェルディの初期の出世作、オペラ「ナブッコ」の題材ともなったユダヤ民族の「バビロン虜囚」の故事に基づいていますね。

( 2009.09.09 藤井宏行 )


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