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雀をどり    
  美濃びとに
 
    

詩: 北原白秋 (Kitahara Hakusyuu,1885-1942) 日本
      

曲: 團伊玖麿 (Dan Ikuma,1924-2001) 日本   歌詞言語: 日本語


雀、雀、と蔑(おと)しめしやんな、え、
どうせ、しがない雀ぢやとても、よ、
せめて歌はにやこの日が経たぬ。
ありやせ、こりやせ、
ありや、りやん、りやん、りやん、りやん。

せめて歌うたら日は経たうけれど
一羽一羽ぢや寂しうてならぬよ、
連れ衆よびたや、誰か友ほしや。
ありやせ、こりやせ、
ありや、りやん、りやん、りやん、りやん。

せめて二羽なら慰みませうが、
馴れてしまへば夫婦もいややよ、
寂し、うるさし、辛なるばかし。
ありやせ、こりやせ、
ありや、りやん、りやん、りやん、りやん。

寂し寂しで世はわたられず、え、
頭まろめて澄ましてゐよと、え、
空ぢや寒風、また、笹の雨。
ありやせ、こりやせ、
ありや、りやん、りやん、りやん、りやん。

どちら向いても笹藪ばかり、
空は高いし、地面は暗し、よ、
昔や遠いし、足腰やたたず。
ありやせ、こりやせ、
ありや、りやん、りやん、りやん、りやん。
 
命や短し、どうなるものぞ、え、
ままよ踊らにやこの日が経たぬ、
さあさ、踊りませう、雀のをどり。
ありやせ、こりやせ、
ありや、りやん、りやん、りやん、りやん。


( 2017.11.12 藤井宏行 )


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