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Chanson de printemps   CG. 359  
 
春の歌  
    

詩: トゥルヌー (Eugène Tourneux,1809-1867) フランス
      

曲: グノー (Charles Gounod,1818-1893) フランス   歌詞言語: フランス語


Viens, enfants, la terre s'eveille
Le soleil rit au gazon vert!
La fleur au calice entr'overt
Recoit les baisers de l'abeille.

Respirons cet air pur!
Enivrons-nous d'azur!
La-haut sur la colline
Viens cueillir l'aubepine!
La neige des pommiers
Parfume les sentiers.


Viens, l'enfant, voici l'hirondelle
Qui passe en chantant dans les airs,
Ouvre ton ame aux frais concerts
Eclos sous la feuille nouvelle.

Un vent joyeux, la-bas,
Fremit dans les lilas,
C'est la saison bénie,
C'est l'amour, c'est la vie!
Qu'un fleuve de bonheur
Inonde notre coeur.


Viens, l'enfant, c'est l'heure charmante
Ou l'on voudrait rever a deux,
Melons nos reves et nos voeux
Sous cette verdure naissante.

Salut regne des fleurs
Des parfums, des couleurs,
Les suaves haleines
Voltigent sur les plaines,
Le coeur epanoui
Se perd dans l'infini.

おいで 恋人よ 大地は目覚め
太陽が緑の芝に微笑みかける
花はそのつぼみを半分開いて
ミツバチの口づけを受けている

この澄んだ空気を吸いこもう!
そして青い空に酔うとしよう
丘の向こうのあの遠くへ
さんざしを取りにいこうよ
雪のように白いリンゴの花が
小径に香りを漂わしている


おいで 恋人よ ほらツバメだ
大空を歌いながら飛んでいく
きみの心を爽やかな歌声で開いてよ
若葉の下で湧いてくるこの調べで

向こうではいたずらな風が
リラの花の中をそよぐ
今は祝福された季節
これぞ愛!これぞ人生!
幸福の波が
ぼくらの心を満たす時だ


おいで 恋人よ 今は素敵な時
ふたりで夢を見るとき
この萌え出でる緑の下で
ぼくらの夢と誓いを語り合おう

ようこそ 花たちの世界
香りと色どりの世界へ
柔らかい吐息が
ひらひらと野原を漂い
開かれた心は
限りない世界へと広がっていく


爽やかな歌曲の多いグノーには、そのスタイルにピッタリくるためか春の歌がたくさんあります。この曲はその中でもどんぴしゃりのタイトル。うきうきするような春の自然を恋人と一緒に満喫している幸せを歌います。
ハイペリオンレーベルにあるグノー歌曲集でのフェリシティ・ロットのソプラノの歌が絶妙の魅力を示しています。あとはEMIのジェラ-ル・スゼーの柔らかなバリトンでしょうか。素敵な曲ですがグノー歌曲集でもないとなかなか取り上げられることが少ないのが非常に残念な歌です。さらにつらいのはグノー歌曲集自体がほとんどないこと。あとはカリオペにあるブルーノ・ラプラントのバリトンは未聴、フォルラーヌにあるソプラノのタンジリの歌はいまひとつグノーの世界にはそぐわないように思えてあまり楽しめませんでした。

( 2005.04.29 藤井宏行 )


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