砂山 |
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海は荒海、 向うは佐渡よ。 すずめ啼け啼け、もう日はくれた。 みんな呼べ呼べ、お星さま出たぞ。 暮れりや、砂山、 汐鳴りばかり、 すずめちりぢり、また風荒れる。 みんなちりぢり、もう誰も見えぬ。 かへろかへろよ、 茱萸原(ぐみはら)わけて、 すずめさよなら、さよなら、あした。 海よさよなら、さよなら、あした。 |
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白秋のこの詩にには晋平だけでなく山田耕筰も曲をつけておりますが、もともと白秋が曲をつけるのを依頼したのは晋平の方だったようで、私が聞いてもしっくりくるのはこちらの方のメロディです。伝統的な民謡調のメロディはリズミカルにはまっていて日本海の情景が目に浮かぶようです。
( 2017.10.15 藤井宏行 )