Rencontre Op.21 Poëme d'un jour |
出会い ある1日の詩 |
J'étais triste et pensif quand je t'ai rencontrée, Je sens moins aujourd'hui mon obstiné tourment; Ô dis-moi,serais-tu la femme inespérée, Et le rêve idéal poursuivi vainement? Ô,passante aux doux yeux,serais-tu donc l'amie Qui rendrait le bonheur au poète isolé, Et vas-tu rayonner sur mon âme affermie, Comme le ciel natal sur un coeur d'exilé? Ta tristesse sauvage,à la mienne pareille, Aime à voir le soleil décliner sur la mer! Devant l'immensité ton extase s'éveille, Et le charme des soirs à ta belle âme est cher; Une mystérieuse et douce sympathie Déjà m'enchaîne à toi comme un vivant lien, Et mon âme frémit,par l'amour envahie, Et mon coeur te chérit sans te connaître bien! |
あなたに逢ったそのときは 僕は悲しく沈んでいたが 今日はなんだかいつもの痛みも軽い ねえ、あなたは偶然出会った女の子で 僕がむなしく追い求めていた夢なのかい? ああ、やさしい目をしたゆきずりの人よ あなたは さびしい詩人に幸せをもたらす恋人で 僕の空虚な心を照らしてくれるのだろうか? ふるさとの空が追放された者の心に響くように あなたのひそやかな悲しみは 僕の悲しみのように 海に沈む夕日を眺めるのが好きなんだね! その雄大さを前にして、あなたは心震わせ そんなあなたと過ごす美しい夕暮れは宝物 不思議な、しかし優しい気持ちで 僕はあなたに惹きつけられる 見える絆があるかのように 僕の魂は 愛に打たれてうち震え 僕の心はあなたを求めている まだ良く知らない人なのに |
フォーレ初期の作品ですが、この3曲からなる「ある一日の詩」でも第1曲の「出会い」は流麗なメロディとほのかな翳りが印象的で、この曲だけ単独で取り上げられることも多い有名曲です。秘めた熱情というか心の昂ぶりが見事に表された傑作ではないでしょうか。男声・女声ともによく取り上げられているようですが、私にとっては初めてハマった往年のソプラノ、ニノン・ヴァランの歌が刷り込まれているせいか、この曲に関してはソプラノが歌ったものが一番しっくりときます。イヴォンヌ・ケニーやバーバラ・ヘンドリックスなどのものが良いでしょうか。最近見つけた録音ではやはり往年のフランスの大テナー、ジョルジュ・ティルの録音があり、これもすがすがしい迫力にみちて面白かったです。
( 2005.04.16 藤井宏行 )