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子守歌    
 
 
    

詩: 野上彰 (Nogami Akira,1909-1967) 日本
      

曲: 團伊玖麿 (Dan Ikuma,1924-2001) 日本   歌詞言語: 日本語


「むかしむかしよ 北のはて
 オーロラの火の 燃えている
 雪のお城がありました」
「それから母さん どうしたの」
「だまってお聞きよ いい話
 おはなしきいて ねんねんよ」

「雪のお城の お庭には
 氷の花が 咲いていて
 雪の小人が住んでいた」
「ほんとに母さん おもしろい」
「だまってお聞きよ いい話
 おはなしきいて ねんねんよ」

「雪の小人は 十五人
 そろって白い 雪ぼうし
 ぼうしの玉は銀のふさ」
「おやおや母さん すてきだな」
「だまってお聞きよ いい話
 おはなしきいて ねんねんよ」

「ぼうしのふさを ふりながら
 一日踊って くたびれて
 眠った小人は十五人」
「そうして母さん おしまいね」
「いえいえまだまだ いい話
 おはなしきいて ねんねんよ」

「眠った間に いたずらの
 白いこぐまが 持ってった
 ふさのついてる雪ぼうし」
「・・・・・・・・・・」
「あらあらおねむね おころりよ
 およってしずかに ねんねんよ」


子供の頃、とても印象に残っていた歌に思いがけなく再開するのはとても嬉しいものです。この曲、題名は知りませんでしたし、歌詞もお母さんが子供に雪の小人の話をしていたということと、子供が「それから母さんどうしたの」とたずねる部分しか覚えていなかったのですが、米良美一さんのカウンターテナーで聴いた時、ああこれだったのか!と嬉しくなりました。はなはだ個人的趣味ではありますが、彼の日本歌曲録音の中では、以前絶賛した蘇州夜曲も遥かに超えて、この曲がベストではないかなとさえ思います。変に濃い演出を付けて思い入れ深く歌うことなく、ただあっさりと聴かせてくれるのが良いですね。それと、クラシック系の人がこの手の曲をやってくれるのがいいのは、伴奏を変に編曲せずに、楽譜にあるがままの音を聴かせてくれるのがあると思います。この曲の伴奏ももの凄く印象的ではないですか。
まだまだこういう子供に媚びない、それでいて子供の心に残る素敵な童謡はたくさん埋もれていると思いますので、更にぜひ発掘して聴かせて欲しいものです。

<作詞者 野上彰の著作権が切れましたので歌詞をアップ致します 2018.01.01>

( 1999.05.18 藤井宏行 )


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