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Mattinata    
 
マッティナータ(朝の歌)  
    

詩: レオンカヴァルロ (Ruggero Leoncavallo,1858-1919) イタリア
      

曲: レオンカヴァルロ (Ruggero Leoncavallo,1858-1919) イタリア   歌詞言語: イタリア語


L'Aurora,di bianco vestita,
Gia l'uscio dischiude al gran sol,
Di gia con le rose sue dita
Carezza de' fiori lo stuol!
Commosso da un fremito arcano
Intorno il creato gia par,
E tu non ti desti,ed invano
Mi sto qui dolente a cantar:

Metti anche tu la veste bianca
e schiudi l'uscio al tuo cantor!
Ove non sei la luce manca,
Ove tu sei nasce l'amor!

暁は白いドレスを着て
太陽のドアを開けてしまった
バラ色に輝く指が
花たちをやさしく撫でる!
この神秘的なさざめきが
すべてのものを目覚めさせるのだ
でも、君だけがまだまどろみ、そして空しく
僕はここに立ち歌っている

君も白いドレスを着て
この空しい歌い手の前のドアを開けて!
君がいなけりゃ、すべては真っ暗
君が現れて、愛が生まれるのさ!

人生を楽しむ国イタリアでは夜はセレナーデ、朝はこのマッティナータと、愛の告白に忙しいですね。日本人、特に私のようなものがこんなことをやるとストーカー禁止条例に引っかかって逮捕されそうですが、迫る方も迫られる方ももっとこんな感じの余裕が欲しいですね。法で禁止されても仕方ないような美的でない迫り方をするからダメなんです。
この歌での太陽と恋人を喩えるフレーズなんか、訳していて実にウマいっ、て思ってしまいましたけれど、こんなところをよく見習わなければ。

この曲はルチアーノ・パヴァロッティの愛唱曲ということで、3大テナーコンサートやら何やらでも頻繁に耳にすることができますから、今やレオンカヴァルロの作品の中でも、オペラ「道化師」を抜いて一番有名な作品になったかの感もあります。
とはいいつつもカルーソーやジーリの時代から、イタリアのテノールには愛唱されつづけてきた作品であり、様々な名歌手の見事な歌唱が他にもいろいろ聴けます。私が聴いた中でぶっ飛んで凄かったのはディ・ステファノの歌。なんというか熱さでとろけそうな強烈な迫力は他の歌手ではついぞ聴けませんでした。
五郎部俊朗さんのイタリア歌曲集(マイスターミュージック)では最後に収録されているこの曲、ディ・ステファノとは対極にある軽やかさが心地よく、こちらも私の愛聴盤になりそうです。

( 2005.03.06 藤井宏行 )


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