Spirate pur,spirate 36 Arie di Stile Antico |
吹いてくれ、どうか 古典様式による36のアリア |
Spirate pur,spirate attorno a lo mio bene, aurette,e v'accertate s'ella nel cor mi tiene. Spirate,spirate pur,aurette! Se nel suo cor mi tiene,v'accertate, aure beate,aure lievi e beate! |
吹いてくれ、どうか吹いてくれ 私の愛するあの人のところへ そよ風よ、そして確かめてくれ あの人が僕を心に留めているかを 吹いてくれ、どうか吹いてくれ そよ風よ あの人が僕を心に留めているかを 確かめておくれ 幸せの風よ 軽やかで幸せな風よ |
ドナウディというとレスピーギと同年生まれの近代イタリアの作曲家ですが、彼の書いた歌曲は古典的な題材に想を得た「古典様式による36のアリア」が有名で、17〜18世紀の古典歌曲のスタイルを20世紀に生かした歌曲で名を残している人です。この曲を含めその中のいくつかは非常に有名で、様々な歌手のイタリア歌曲集には収録されているのではないでしょうか。
この曲はそよ風を表す軽やかな3拍子の曲。私はイタリア古典歌曲はいまひとつ相性が良くなくて聴いていると退屈してしまうことが多いのですが、ドナウディの作品は古典に加わった近代の隠し味が面白いのか(何がどう違うのか?はよく認識できていないのですが)結構良く聴きます。
日本では声楽のレッスンによく使われるせいか、この36のアリアの録音も意外と多くあるようですね。私の愛聴盤はしかしながら外盤で、Robert Guarino (Tenor)にDennis Helmrich (Piano)のNewport Classics盤。CD1枚に36曲収録されているお得感も良いですし、ドラマチックなテナーでこのドナウディを聴くのも面白いです。
リリコの歌声でドナウディを聴かせてくれる五郎部俊朗さんの歌(マイスターミュージック)もなかなかの味わい。ドナウディからは4曲だけですが有名な曲を押さえており、こちらも楽しく聴けました。
( 2005.03.06 藤井宏行 )