Die Nachtigall |
小夜鳴鳥 |
Das macht,es hat die Nachtigall Die ganze Nacht gesungen; Da sind von ihrem süßen Schall, Da sind in Hall und Wiederhall Die Rosen aufgesprungen. Sie war doch sonst ein wildes Blut, Nun geht sie tief in Sinnen, Trägt in der Hand den Sommerhut Und duldet still der Sonne Glut Und weiß nicht,was beginnen. Das macht,es hat die Nachtigall Die ganze Nacht gesungen; Da sind von ihrem süßen Schall, Da sind in Hall und Wiederhall Die Rosen aufgesprungen. |
一晩中鳴いていた 小夜鳴鳥のせいだ その甘美な声に その響きと木霊に 薔薇の蕾が開いたのだ お転婆だったあの娘は 今深い想いに沈む 夏の帽子を手に持ち じっと燃える陽射しに耐えている わからないのだ、どうしたらいいのか 一晩中鳴いていた 小夜鳴鳥のせいだ その甘美な声に その響きと木霊に 薔薇の蕾が開いたのだ |
この詩にはアルバン・ベルクの作曲がありますが、このルドルフ・モーザー(1892-1960)の作品も捨てがたいものがあります。およそ20世紀の作品とは信じられないほど爽やかなロマン派歌曲で、ピアノが小夜鳴鳥の鳴き声を模倣し、美しい叙情的な旋律が歌われます。
モーザーはマックス・レーガーに師事したそうですが、この作風ではシェーンベルクやストラヴィンスキーの時代には頭から無視されたことでしょう。しかし愛好家の立場からすれば、いつの時代に書かれようと美しい歌曲なら何の問題もありません。
この作曲家、わたしも全然知らなかったのですが、イレーネ・フリードリIrene Friedliというメゾの、ヴォルフのメーリケ歌曲集、スペイン歌曲集の抜粋を収めたCDを買ったら8曲入っていました。この歌手もなかなか美しい声で聞かせます。非常に安価でもありお薦めの盤です(Discover International DICD920258)。
( 2005.01.10 甲斐貴也 )