川中島 |
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西条山は 霧ふかし 筑摩の河は 浪あらし 遙に聞ゆる 物音は 逆まく水か つわものか 昇る朝日に 旗の手の きらめくひまに くるくるくる 車がかりの 陣ぞなえ めぐる合図の 鬨の声 あわせる甲斐も あらし吹く 敵を木の葉はと かきみだす 川中島の 戦は 語るも 聞くも 勇ましや |
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上杉謙信と武田信玄の戦国時代の合戦を題材とした小山作之助の目の覚めるような唱歌です。退屈に淡々と事実を紡ぎ出す普通の唱歌と違い、何ともビジュアルな旗野の詞に、今から戦が始まる躍動感にあふれるメロディは小山の非凡な才能を物語っているのではないかと思います。
( 2017.06.04 藤井宏行 )