うらしまたろう |
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むかしむかし、うらしまは、 こどものなぶる、かめをみて、 あわれとおもい、かいとりて、 ふかきふちへぞ、はなちける。 あるひ、おおきな、かめがでて、 「もうしもうし、うらしまさん、 りゅうぐうという、よいところ、 そこへあんない、いたしましょう」 うらしまたろうは、かめにのり、 なみのうえやら、うみのそこ、 たい、しび、ひらめ、かつお、さば、 むらがるなかを、わけてゆく。 みればおどろく、からもんや、 さんごのはしら、しゃこのやね、 しんじゅやるりで、かざりたて、 よるもかがやく、おくごてん。 おとひめさまに、したがいて、 うらしまたろうは、三ねんを、 りゅうぐうじょうで、くらすうち、 わがやこいしく、なりにけり。 かえりてみれば、いえもなし、 これはふじぎと、たまてばこ、 ひらけばしろき、けむがたち、 しらがのじじいと、なりにけり。 |
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このうらしまたろうは詞も曲もいまひとつインパクトに弱いからでしょうか。今に残っているのは1911年の尋常小学唱歌に掲載されているものです。こちらはまだ作者は作詞作曲共に特定されていないようです。
( 2017.06.04 藤井宏行 )