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A Nightingale Sang In Berkeley Square    
 
バークリー・スクエアで小夜鳴鳥が歌ってた  
    

詩: マシュウィッツ (Albert Eric Maschwitz,1901-1969) イギリス
      

曲: シャーウィン (Manning Sherwin,1899-1974) イギリス   歌詞言語: 英語


詩:著作権のため掲載できません。ご了承ください


 エリック・マシュウィッツ(1901-1968)の詩にマニング・シャーウィン(1899-1974)が作曲したレヴュー”New Faces”(1940年ロンドン・コメディシアター初演)の中の一曲で、スタンダード(定番となった主に米国のポピュラーソングの通称)では地味ながら根強い人気のある佳曲です。レヴューとはミュージカルと同じように歌と踊りを楽しむ舞台ですが、違うのは明確なストーリーがないことです。
 ロンドンのメイフェアにある小さな公園バークリー・スクエアを舞台とした、幸せなある夜を回顧する歌詞は、残念ながら著作権の関係で掲載できませんが、スタンダードのわが国におけるバイブルとも言える「ジャズ詩大全」(村尾陸男著・中央アート出版社)の第2巻にありますので是非ご参照下さい。このシリーズは解説も非常に充実しているのですが、この曲の小夜鳴鳥(ナイチンゲール)への注釈が「日本にいない鳥なので専門書にあたってほしい」だけで済まされているのには苦笑してしまいました。
 こういったミュージカル系のスタンダードの多くにヴァースと呼ばれる前口上がついています。オペラで言うレチタティーヴォのようなもので、語りと歌の中間的な形で書かれ、省略して歌うのも可能ですが、中にはここが非常に魅力的な作品もあります。この曲もそのひとつと思うわたしは、ヴァースを省略した演奏にはどうも馴染めません。
 この曲を得意とする歌手の一人にメル・トーメがいます(”An evening with Mel Torme”米Concord CCD-4736)。もちろんヴァースも歌っていますが、「ジャズ詩大全」で紹介されている2番の歌詞は省略しています。
 さてつい最近発売された、ベテランのロックヴォーカリスト、ロッド・スチュアートがスタンダードを歌った企画盤の第三弾にこの曲が入っていました。この曲をネットで検索すると彼の名前ばかりがでてくるほどなので、CDショップの店頭で試聴してみました。スロー・バラッドとして歌っているトーメに対し、彼はミディアムテンポでさらりと歌っているのですが、さすがロック界の大物だけあって歌唱力は抜群、非常に幸せな歌になっていて感心させられました。今、このCDを購入しようかどうか考えているところです(笑)。
 ロッド・スチュアートを全く知らない方のために書いておきますと、彼の声は全く非クラシック的で、例えば森進一の様なハスキーヴォイスです。こういう声が最高にセクシーであるという価値観は、邦楽とロックの共通点でしょうか。ともあれ一聴の価値ありの名唱と思います。こちらは2番も歌っています。

( 2005.01.01 甲斐貴也 )


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