相川おけさ |
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ハア 佐渡へ佐渡へと 草木もなびくよ 佐渡はいよいか 住みよいか ハア 来いというたとて 行かりょか佐渡へよ 佐渡は四十九里 波の上 ハア 二度と惚れまい 他国の人によ 末は烏の泣き別れ |
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関定子さんの歌う日本の民謡編曲集で、最初に紹介されているのは山田耕筰の弟子筋にあたる作曲家で指揮者の坂本良隆。私は物心付いた頃には既に故人でしたので全然知らない人でしたが、ここでは「大島節(伊豆大島)」「相川おけさ(佐渡)」「おてもやん(熊本)」の有名どころの民謡3曲の彼の手になる編曲が取り上げられています。
ユーモラスな「おてもやん」も楽しくて捨て難いのですが、ここではおやっと思うほど詩情に溢れて歌われる「相川おけさ(佐渡おけさ)」の方を。三波春夫の「ちゃんちきおけさ」じゃありませんが、ちゃんちきちゃんちきとリズミカルに歌うものだとばかり思っていたこの歌が、こんなにしっとりと歌われるというのは実に新鮮でした。ピアノの伴奏のメロディはすごく西洋のクラシカル風なのですが、全然違和感を感じさせないのも見事!(編曲が絶妙なのかそれともピアノの塚田氏が巧いのかは判然としませんが。たぶん両方でしょう)
( 2005.01.12 藤井宏行 )