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風の又三郎    
  宮沢賢治・三章
 
    

詩: 宮沢賢治 (Miyazawa Kenji,1896-1933) 日本
    風の又三郎  

曲: 山田一雄 (Yamada Kazuo,1912-1991) 日本   歌詞言語: 日本語


どっどど どどうど どどうど どどう
あまいりんごも吹きとばせ
すっぱいりんごも吹きとばせ
どっどど どどうど どどうど どどう

どっどど どどうど どどうど どどう
あまいざくろも吹きとばせ
すっぱいざくろも吹きとばせ
どっどど どどうど どどうど どどう


どっどど どどうど どどうど どどう
青いくるみも吹きとばせ
すっぱいくわりんも吹きとばせ
どっどど どどうど どどうど どどう
どっどど どどうど どどうど どどう


どっこどっこ又三郎
ざっこざっこ雨三郎



NHKの子供番組として数年前から始まった「日本語であそぼ」。日本の古典をKonishikiや野村萬斎といった人たちが面白くアレンジして紹介するというものですが、その中でも印象的だったのがこの「風の又三郎」。奇妙なコスプレの野村萬斎と子供たちが肩を組み、右に左に動きながらこのフレーズを叫ぶ、というのは一度見たら忘れられなくなる光景でした。いたいけな子供に歌舞伎「白波五人男」のセリフを喋らせるとかインパクトのある題材選定と表現でけっこう子供にもウケがよいようです。さて、山田一雄さんの「宮沢賢治・3章」、最後はこの賢治の有名な童話から有名なフレーズを抜き出して歌にしています(1952作曲)。あのヤマカズさんのことだから結構リズムを強調した派手な歌にしているかと思いきや、この曲はとってもしんみりとした、まさにこの童話の舞台の寂しい寒村の秋を感じさせるものになっています。「風の又三郎」を宮崎駿がアニメ化するとしたらこんな感じの曲を使うだろうなあ、という(あまり良いたとえではないが)味わい深い曲。映像化を考えておられる方はぜひ聴いてみてください。いろいろなインスピレーションを得られることと思います。

( 2005.01.01 藤井宏行 )


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