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In memoriam Dylan Thomas    
 
ディラン・トマスの思い出に  
    

詩: トマス (Dylan Thomas,1914-1953) ウエールズ
      

曲: ストラヴィンスキー (Igor Stravinsky,1882-1972) ロシア   歌詞言語: 英語


Do not go gentle into that good night,
Old age should burn and rage at close of day;
Rage,rage against the dying of the light.

Though wise men at their end know dark is right,
Because their words had forked no lightning they
Do not go gentle into that good night.

Good men,the last wave by,crying how bright
Their frail deeds might have danced in a green bay,
Rage,rage against the dying of the light.

Wild men who caught and sang the sun in flight,
And learn,too late,they grieved it on its way,
Do not go gentle into that good night.

Grave men,near death,who see with blinding sight
Blind eyes could blaze like meteors and be gay,
Rage,rage against the dying of the light.

And you,my father,there on the sad height,
Curse,bless me now with your fierce tears,I pray.
Do not go gentle into that good night.
Rage,rage against the dying of the light.

おとなしく入って行くな あの「おやすみ」の中へ
老いは燃え上がり 怒らねばならぬ 一日の終わりに
怒れ 怒り立ち向かえ 死にゆく光に

賢者は自らの最期に知るが 暗闇こそが正だと
自らの言葉が稲妻を引き裂くことがなかったゆえに
おとなしく入っては行かぬ あの「おやすみ」の中へは

善人どもよ 最後の波打ち際で嘆いている 何と輝かしく
自らの儚い行いが躍動したのかも知れないと 緑の入り江で
怒れ 怒り立ち向かえ 死にゆく光に

荒くれ男どもよ 飛翔する太陽を捕らえて歌い
そして気付くが あまりに遅く 自分が太陽の邪魔をして悲しませたことを
おとなしく入って行くな あの「おやすみ」の中へ

重篤な者たちよ 死に瀕し 盲目となっても
その見えぬ目は流星のように燃え立ち 陽気にもなれた筈なのだ
怒れ 怒り立ち向かえ 死にゆく光に

そしてあなた わが父よ 悲しさの極みにあっても
呪い 祝福せよ 私を今 そのの激しい涙で 私は祈る
おとなしく入って行くな あの「おやすみ」の中へ
怒れ 怒り立ち向かえ 死にゆく光に

1950年代 ストラヴィンスキーはこのディラン・トマスの詩で舞台作品を書こうとしていたのですが、詩人の急逝によりそれは果たせなくなりました。代わりにその死を悼んで書いたのがこの作品です。トマス自身も死にゆく病床の父に向けてこの詩を書いたのだそうで追悼に向けた詩としては内容的にも打ってつけと言えましょうか。
けっこう激を飛ばしている歌詞ですが、音楽はしっとりと故人を偲んでいます。テノールの独唱に弦楽4重奏と4本のトロンボーンの伴奏が付きます。

( 2017.05.04 藤井宏行 )


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