春の唄 |
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櫻の 花の 咲く頃は うらら うららと 日はうらら 硝子の 窓さへ 皆うらら 學校の 庭さへ 皆うらら 河原で 雲雀の 啼く頃は うらら うららと 日はうらら 乳牛舎(ちちや)の 牛さへ 皆うらら 鷄舎(とりや)の 鷄さへ 皆うらら 畑に 菜種の 咲く頃は うらら うららと 日はうらら 渚の沙(すな)さへ 皆うらら どなたの顔さへ 皆うらら |
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これも草川の春の歌としては傑作のひとつでしょう。雨情のしなやかな詩にとても耳にやさしいメロディをつけています。暖かくなって陽炎がゆらゆらと漂う様をこれほど見事に表した春の歌はそうはないでしょう。今はあまり歌われなくなってしまっているようなのがとても勿体ない歌です。
( 2017.04.01 藤井宏行 )