雨のブルース |
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雨よ ふれふれ 悩みを 流すまで どうせ涙に 濡れつつ 夜ごと なげく身は ああ かえりこぬ 心の青空 すすり泣く 夜の雨よ 暗い運命(さだめ)に うらぶれ果てし身は 雨の夜路(よみち)を とぼとぼ ひとり さまよえど ああ かえり釆ぬ 心の青空 ふりしきる 夜の雨よ |
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この前年の昭和12年の「窓を開ければ 港が見える」(詞:藤浦洸)の「別れのブルース」、あるいは昭和15年の「湖畔の宿」ほど有名ではありませんが、この「雨のブルース」も服部メロディの中ではブルースの傑作として忘れてはならない曲でしょう。「別れのブルース」と同じ淡谷のり子の歌でレコードはリリースされました。詞の野川香文は昭和初期に活躍した作詞家でジャズの評論家でもあった人なのだそうです。おそらくこの曲が一番後世にも知られている歌になるでしょうか。
( 2017.03.20 藤井宏行 )