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Nur zu!   Op.62-18  
  Das Holdes Bescheiden
さあ行け!  
     歌曲集「善き慎み」

詩: メーリケ (Eduard Friedrich Mörike,1804-1875) ドイツ
    Gedichte  Nur zu!

曲: シェック (Othmar Schoeck,1886-1957) スイス   歌詞言語: ドイツ語


Schoen prangt im Silbertau die junge Rose,
Den ihr der Morgen in den Busen rollte,
Sie blueht,als ob sie nie verbluehen wollte,
Sie ahnet nichts vom letzten Blumenlose.

Der Adler strebt hinan ins Grenzenlose,
Sein Auge trinkt sich voll von spruehndem Golde;
Er ist der Tor nicht,dass er fragen sollte,
Ob er das Haupt nicht an die Woelbung stosse.

Mag denn der Jugend Blume uns verbleichen,
Noch glaenzet sie und reizt unwiderstehlich;
Wer will zu frueh so suessem Trug entsagen?

Und Liebe,darf sie nicht dem Adler gleichen?
Doch fuerchtet sie; auch fuerchten ist ihr selig,
Denn all ihr Glueck,was ists? - ein endlos Wagen!

朝が胸に転がし入れた銀の露に飾られ
まだ咲いたばかりの薔薇が美しい
それはまるで萎むことなどないかのように咲いている
やがて花は散るという予感すらなく

鷲はひたすら果てしない高みを目指す
その眼はほとばしる黄金の光を浴びるほど飲む
彼は天の屋根に頭をぶつけるのではないかと
気にかけるような愚か者ではない

花咲く青春はいつか色褪せるにしても
その輝きと魅惑には抗い難い
これほど甘美な幻想を誰が早々に諦めるだろうか?

そして愛 それは鷲に似てはいないだろうか?
愛は怖れるにもかかわらず 怖れもまた愛の至福なのだ
ならば愛の最高の幸せとは? ・・・それは果てしない冒険だ!

「愛し過ぎて」にも似た情熱的な愛の詩。それは『善き慎み』などというモットーとはおよそ正反対のものです。理性では『善き慎み』を良しとしながら、抑えがたい愛の情熱に翻弄されたのがメーリケという人なのでしょう。演奏はクラーヴェスの全集の白井さん。

( 2004.12.02 甲斐貴也 )


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