卜算子 |
卜算子 |
缺月挂疏桐 漏斷人初靜 誰見幽人獨往來 縹緲孤鴻影 驚起卻回頭 有恨無人省 揀盡寒枝不肯棲 楓落沙洲冷 |
欠けた月が掛かる まばらな桐の上 水時計の滴も絶え 人のざわめきも静まった 誰が見ようか 静かな男が独り行き来しようと 遥かな高みには孤鴻の影 驚き起ち上って振り返るが 悩みがあっても誰も省みる者はない 冷たい枝を探し尽くして 棲むことは能わない 楓は落ちる 冷たい砂州に |
卜算子とは宋の時代の詩の形で44字、5575・5575と重ねるもののようで、色々な詩人の卜算子が残っています。これは有名な詩人・蘇軾のもの。冬のしんしんと寒い中の孤独を歌っているものですね。黄自の音楽もしみじみとこれは中華風で、日本人にもしっくりくるメロディでした。
( 2017.03.18 藤井宏行 )