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Me suis mise en danse    
  Traditional Songs of France
私は踊る  
     フランス民謡集

詩: フランス語の民謡 (chanson folklorique,-) 
      

曲: バックス (Sir Arnold Edward Trevor Bax,1883-1953) イギリス   歌詞言語: フランス語


Me suis mise en danse
Entre deux galants,ma mie,
Me suis mise en danse
Entre deux galants-
C'lui qui m'aimait le plus
M'a serre la main,ma mie,
C'lui qui m'aimait le plus
M'a serre la main.

Galant,si tu m'aimes
Comme fais semblant,ma mie,
Galant,si tu m'aimes
Comme fais semblant,
M'offrirais parure
De quelques rubans,ma mie,
M'offrirais parure
De quelques rubans.

Je t'en offre un rouge
Et deux vert et blanc,ma mie,
Je t'en offre un rouge
Et deux vert et blanc.
Te les faudra mettre
Que trois fois par an,ma mie,
Te les faudra mettre
Que trois fois par an.

L'un à Pentecôte,
L'autre à la Saint-Jean,ma mie,
L'un à Pentecôte,
L'autre à la Saint-Jean.
Et l'autre à nos noces
Belle,quand seront,ma mie,
Et l'autre à nos noces
Belle,quand seront.


私は踊る、
二人の求愛者の間で、いとしい人よ、
私は踊る、
二人の求愛者の間で。
私を一番愛してくれた人は
私の手をかたく握りしめた、いとしい人よ、
私を一番愛してくれた人は
私の手をかたく握りしめた。

伊達男よ、あなたが私を愛しているのなら、
いつもおっしゃるようにね、いとしい人よ、
伊達男よ、あなたが私を愛しているのなら、
いつもおっしゃるようにね、
私に下さい、一組の
リボンの束を、いとしい人よ、
私に下さい、一組の
リボンの束を。

僕はあなたに赤いリボンと、
緑と白いのをさしあげます、いとしい人よ、
僕はあなたに赤いリボンと、
緑と白いのをさしあげます。
あなたがそのリボンを付けなければならないのは
年に三回あるのです、いとしい人よ、
あなたがそのリボンを付けなければならないのは
年に三回あるのです。

一度目は聖霊降臨祭の時、
二度目は聖ヨハネの祝日の時、いとしい人よ、
一度目は聖霊降臨祭の時、
二度目は聖ヨハネの祝日の時。
そして三度目は僕たちの結婚式の時、
美しい人、式に出る時にだよ、いとしい人よ、
そして三度目は僕たちの結婚式の時、
美しい人、式に出る時にだよ。

アーノルド・バックスは、交響曲がよく知られているイギリスの作曲家だが、歌曲も多く作曲し、特に「白い平和」(The White Peace)はよく知られている。
彼はアイルランドの血が流れているようで、イェーツのケルト文学に影響を受け、ケルトの詩による歌曲群も作られている。
概して全音階の中に半音階を織り交ぜる手法が多いらしく、やや難解な印象を与えるようだ。
ところで、この「私は踊る」という曲は1920年にフランス語の民謡に手を加えた5曲からなる「フランス民謡集」の第3曲である。
「自由に編曲された」(freely arranged)という副題が付いているが、歌の旋律は民謡をほぼそのまま使用しているようだ(下のサイトでMIDIが聞ける)。

http://ourworld.compuserve.com/homepages/Thierry_Klein/mesuismi.htm

なぜ、この曲を知ったかというとイギリスを代表するメゾのジャネット・ベイカーが、舞台引退後のジェラルド・ムーアとEMIに作ったリサイタル盤(1972年10月録音)に収録されていて、これがまた、とても生き生きとして単純で覚えやすいメロディーにもかかわらず、ピアノパートは節ごとに工夫が凝らされ、とても印象に残ったからである。
ハイドン、ベートーヴェン、ブラームス、ブリテン、ラヴェル、バルトークなど大作曲家たちは民謡を大切にして、そこに己の刻印を刻むことによって不滅の価値を与えた。
このバックスの曲はまだCDで聴ける音源は今のところないようだが(ベイカー盤のCD化を望みたい)、聴いて素直に楽しく、もっと知られてほしいという気持ちから、フランス語が勉強不足なことを顧みず、英訳を参照しながら無謀な訳を試みてみた。誤りをご指摘いただければ幸いです。

( 2004.11.27 フランツ・ペーター )


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