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秋の女よ    
 
 
    

詩: 佐藤春夫 (Satou Haruo,1892-1964) 日本
    佐藤春夫詩集−寒蝉鈔  秋の女よ

曲: 大中恩 (Oonaka Megumi,1924-2018) 日本   歌詞言語: 日本語


泣き濡れて、秋の女(おみな)よ
わが幻のなかに来る
泣き濡れた秋の女を
時雨だと わたしは思ふ、

泣き濡れて 秋の女よ
汝(なれ)は古城の道に去る
頸(うなじ)に柳葉がちりかゝる
枯れた蓮(はちす)を見もしない、

泣き濡れて 秋の女よ
汝があゆみは 一歩一歩
愛する者から遠ざかる
泣き濡れて 泣き濡れて

泣き濡れて 秋の女よ
わが幻のなかに去る
泣き濡れた秋の女を
時雨だとわたしは思う

一しきり わたしを泣かせ
またなぐさめて 秋の女よ
凄まじく枯れた古城の道を
わが心だと わたしは思ふ



( 2017.02.26 藤井宏行 )


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