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雲に向かって起つ    
 
 
    

詩: 谷川俊太郎 (Tanikawa Shuntarou,1931-) 日本
      

曲: 武満徹 (Takemitsu Touru,1930-1996) 日本   歌詞言語: 日本語


詩:著作権のため掲載できません。ご了承ください


石原慎太郎の同名の小説を連続テレビドラマ化した際の主題歌として書かれ 藤木孝によって歌われたとあります。その前年の1962年には映画にもなっていて、ネット上の記事からこの物語の粗筋を知ることができました。映画では石原裕次郎が新聞の政治記者を演じていて、政界のドロドロの陰謀の中を正義を通して暴れまくるというお話のようで、映画の主題歌の方は別の人が書いて裕次郎自身が歌っています。個人的には武満のこの歌、彼の資質には合っていないような気がしてあまり好ましく聴けないのです。またそう思う人が多いからかどうかは分かりませんが取り上げる人も多くないような感じで、武満の歌の中では知られざる作品となっているような感があります。「若い日本の 若い日本の曙に 雲に向かって立つ」と谷川の詞もどこか陳腐なステレオタイプに終始していていつもの言葉の切れ味を感じられません。詞に切れ味がないと、武満のシンプルで明快なメロディはとたんにキッチュなものに化けてしまうようで、かなり残念なことではあります。

( 2017.02.18 藤井宏行 )


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