隅田川 |
|
あれこそまさしく我子の声 夢かやうつつか聞ゆる声 雪の日雨の日たづねまどひし わがいとし子か いとし子か 嬉しやな まことやあれこそ梅若丸 都をいでて遥々と ああ ああ 我子! たづねわびし我子 わが思ひ子 いざこよ ここにこよや やよ梅若 やよ梅若 あな あやしやな まさしくいま わがまのあたり立ちし姿 いづこゆきし我子 母をばすてて何処ゆきし我子よ いづこゆきし やよ梅若 夢か! いま見しは まぼろしか... |
|
能「隅田川」のもとにもなった京より誘拐され幼くしてこの隅田川の地で命を落とした梅若丸、そしてその母で我が子を失い狂女となった花御前の悲しいお話を梁田が歌にしております。この詩を書いているのが何と同じ作曲家の小松耕輔。ちょうど昨年末で作詞者の著作権も切れましたことで国会図書館のデジタルライブラリーで楽譜と共に公開されました。ぜひこの埋もれてしまった力作に再び光が当たることを願って、微力ながらここでもご紹介することと致します。
( 2017.02.12 藤井宏行 )