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La mort des pauvres    
  Neljä serenadia
死のセレナーデ  
     4つのセレナーデ

詩: ボードレール (Charles Baudelaire,1821-1867) フランス
    Les Fleurs du Mal - 6. La Mort 122 La mort des pauvres

曲: ラウタヴァーラ (Einojuhani Rautavaara,1928-2016) フィンランド   歌詞言語: フランス語


C'est la Mort qui console,hélas! et qui fait vivre;
C'est le but de la vie,et c'est le seul espoir
Qui,comme un élixir,nous monte et nous enivre,
Et nous donne le coeur de marcher jusqu'au soir;

A travers la tempête,et la neige,et le givre,
C'est la clarté vibrante à notre horizon noir;
C'est l'auberge fameuse inscrite sur le livre,
Où l'on pourra manger,et dormir,et s'asseoir

C'est un Ange qui tient dans ses doigts magnétiques
Le sommeil et le don des rêves extatiques,
Et qui refait le lit des gens pauvres et nus;

C'est la gloire des Dieux,c'est le grenier mystique,
C'est la bourse du pauvre et sa patrie antique,
C'est le portique ouvert sur les Cieux inconnus!

それは死なのだ 慰めは ああ!そして生命を与えてくれるのは
これが生の目的であり そしてそれが唯一の希望なのだ
霊薬のように われらを高揚させ われらを酔わせる
そしてわれらに与えてくれるのだ 日暮れまで行進できる勇気を

嵐を 雪や霜を越え
それは活ける光明だ われらの黒い地平線の上の
それは名高き宿屋だ 聖書に記された
そこで食べ 眠り 安らぐことのできる

それは天使なのだ その磁力を持つ手に抱えている
眠りと恍惚の夢の贈り物を
そしてベッドを作ってくれる 貧しき裸の者どもに

それは神の栄光 神秘の穀倉だ
それは貧者の財布 その古代の祖国だ
それは柱廊だ 見知らぬ天へと開けている!

「4つのセレナーデ」、第2曲目はボードレールの「悪の華」より。原詩タイトルばかりでなく曲のタイトルもセレナーデのつかないボードレールの原題が使われておりましたが、英語やフィンランド語のタイトルは「死のセレナーデ」でしたので邦題の方もそれに合わせました。原題の邦訳は「貧者の死」です。音楽は暗くはありませんが厳粛さに沈み込んでいくような静謐な響き。ただテンポはそれほどゆっくりではないので眠たくなってしまうようなことはありません。

( 2017.02.12 藤井宏行 )


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