建国音頭 |
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サアサ祝いましょう 御代の春 ことしゃお国の 二千と六百年 君の御稜威(みいつ)は 千代八千代 千代八千代 ヤンレ サッテモマタ メデタ ヨイ ヨイ ヨイ サアサ讃えましょう 建国の 神武このかた のびゆく国威 樹(た)てたみ柱 いやさかに いやさかに ヤンレ サッテモマタ メデタ ヨイ ヨイ ヨイ サアサ謳いましょう 千代かけて 君は一系 四海を照らす 民は一億 国の楯 国の楯 ヤンレ サッテモマタ メデタ ヨイ ヨイ ヨイ サアサ踊りましょう 興亜の踊り 菊は九重 さくらは八重よ 凛と咲いたる 梅一重 梅一重 ヤンレ サッテモマタ メデタ ヨイ ヨイ ヨイ |
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1940年は戦前使われていた皇紀(神武天皇が日本を建国されたとされている年から数える)で2600年ということで様々な記念イベントが企画されました。昨年取り上げた信時潔の壮大なカンタータ「海道東征」もこのための作品ですが、よもや中山晋平にも得意の新民謡でこんな作品があったとは。果たしてこの年の夏の盆踊りでこの曲は各地で踊られたのか?興味は尽きません。
一昨年に終戦70周年記念企画ということでリリースされた「みんな輪になれ 〜軍国音頭の世界〜」というCD(ぐらもくらぶ)でオリジナル原盤からの復刻が収められておりましたが、小唄勝太郎に市丸という当時のアイドル芸者歌手が美しい鼻声で唱和し、楠木繁夫が低音を締めるという豪華な布陣。邦楽の伴奏もしみじみと味わいがあり結構な聴きごたえです。しかし「海道東征」の厳粛な世界に比べると何やらフザケた便乗商法のように聞こえなくもないのでそんなところが歴史に埋もれてしまった一番の理由でしょう。
( 2017.02.11 藤井宏行 )