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木兎    
 
 
    

詩: 三好達治 (Miyoshi tatsuji,1900-1964) 日本
    一點鐘 (1941)  

曲: 中田喜直 (Nakada Yoshinao,1923-2000) 日本   歌詞言語: 日本語


木菟が鳴いてゐる
ああまた木菟が鳴いてゐる
古い歌
聴きなれた昔の歌
お前の歌を聴くために
私は都にかへってきたのか・・・
さうだ
私はいま私の心にさう答へる

十年の月日がたった
その間に 私は何をしてきたか
私のしてきたことといへば
さて何だらう・・・・・
一つ一つ 私は希望をうしなった
ただそれだけ

木菟が鳴いてゐる
ああまた木菟が鳴いてゐる
昔の聲で
昔の歌を歌ってゐる

それでは私も お前の真似をするとしよう
すこしばかり歳をとった この木菟もさ



中田の三好達治の詩につけた歌曲はその多彩な表情が面白いですが、これはとてもドラマティック。ラフマニノフあたりのロマンスを思わせる重厚なピアノ伴奏に、語りのような悔恨の嘆きがかぶります。耳にやさしいメロディではないですが、雄弁な伴奏と絡み合ってとてもインパクトのある歌となりました。

( 2017.01.27 藤井宏行 )


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