むかしの仲間 |
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むかしの仲間も 遠く去れば また日ごろ 顔あはせねば 知らぬ昔と 知らぬ昔と 変りなき はかなさよ 春になれば 草の雨 三月桜 四月すかんぽの花のくれなゐ また五月には杜若 花とりどり 人ちりぢりの眺め 窓の外の入日雲 |
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昭和12年のラジオ国民歌謡のために書かれた作品。この番組には色々と異色な作詞−作曲コンビの曲がありますが、耕筰は木下杢太郎の詩、このコンビ、私の知る限りは他の作品はないように思います。しんみりと暗いワルツのメロディはしかし少々地味すぎる感もあり、中間部の花の連呼で明るくなるところのカタルシスもいまひとつです。じっくりと聴くととても良い曲なのですが、今やほとんど歌われることもなくなってしまいました。
( 2017.01.22 藤井宏行 )