The master and the leaves Op.2-4 By Footpath and Stile |
ご主人さまと木の葉たち 小道や柵の脇を |
I We are budding,Master,budding, We of your favourite tree; March drought and April flooding Arouse us merrily, Our stemlets newly studding; And yet you do not see! II We are fully woven for summer In stuff of limpest green, The twitterer and the hummer Here rest of nights,unseen, While like a long-roll drummer The nightjar thrills the treen. III We are turning yellow,Master, And next we are turning red, And faster then and faster Shall seek our rooty bed, All wasted in disaster! But you lift not your head. IV - “I mark your early going, And that you'll soon be clay, I have seen your summer showing As in my youthful day; But why I seem unknowing Is too sunk in to say!” |
I 私たちは芽吹いています ご主人さま 芽吹いて 私たち あなたのお好きな木は 三月の日照りと四月の大雨が 私たちを気持ちよく目覚めさせるのです 私たちの梢を新たに飾らせるのです なのにあなたは見えないのですね! II 私たちは豊かに織りなされます 夏には 最高にしなやかな緑を材料に さえずる者たちや ハミングする者たちは ここでは夜には眠ります 目に見えないように その時には長いロールを打つ鼓手のように ヨタカが震わせます 木の枝を III 私たちは黄色に変わります ご主人さま そして次には赤くなり それからすばやく もっと早く 私たちの根元のベッドを探して すっかり朽ち果てるのです 災いのうちに! なのにあなたは頭を上げてくださいません IV - 「私は気付いているさ 君たちの短い命も そしてもうすぐ土に還ることも 私は見てきたよ 君たちの夏も まるで私の若い頃のような だけど なぜ私が知らぬ振りをしているのかは あまりにも気が重いのだ 口に出すには!」 |
激しい弦楽四重奏のパッセージと共に勢いよく歌われる冒頭は春の盛りの表現でしょうか。やがて秋の訪れと合わせて音楽もゆっくりと沈んで行きます。弦のピチカートが春の勢いがある時も、秋の沈んでいる時も効果的に使われています。ハーディの詩は命の儚さを見事に表現していますね。日本人の心情にも響いて来そうな内容です。
( 2017.01.14 藤井宏行 )