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トロイカ    
 
 
    

詩: 野口雨情 (Noguchi Ujyou,1882-1945) 日本
      

曲: 藤井清水 (Fujii Kiyomi,1889-1944) 日本   歌詞言語: 日本語


ここは どこだろ
滿州里(まんちゅうり)か

滿州里ならば
さうならば

支那と露西亜の
國ざかひ

向ふ來るのは
トロイカか

トロイカならば
さうならば

早く歸れよ
西比利亜(シベリア)へ


日本全国を旅してその地のご当地ソングをたくさん書いた雨情ですので、当然当時日本の支配下にあった地域にも足を延ばせばそこの歌を書くのも当然。これは中国東北部・当時の満州国を雨情が1923・24と旅したときに書かれたもののひとつだそうです。のちに藤井のつけたメロディは奇妙な転調を繰り返し日本民謡のようなそうでないような、何とも言えず中途半端な無国籍風の小品となりました。彼の曲の技巧的なところがちょっと悪く出てしまったような感じです。冒頭のピアノはこれを歌ってCDに収録された藍川由美さんがそのライナーで「伴奏にヴォルガの舟歌のテーマが生かされている」と書かれているようにあの曲のモチーフが聴かれますが、後半妙に日本情緒満点のメロディに化けたりして一筋縄では行きません。まあ聴いていてインパクトのある曲ではあるのですが。

( 2017.01.13 藤井宏行 )


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