Old Folks at Home |
故郷の人々 |
Way down upon de Swanee ribber, Far, far away, Dere's wha my heart is turning ebber, Dere's wha de old folks stay. All up down de whole creation, Sadly I roam, Still longing for de old plantation, And for de old folks at home. (CHORUS x2) All de world am sad and dreary, Eb'ry where I roam, Oh! darkeys how my heart grows weary, Far from de old folks at home. All round de little farm I wandered When I was young, Dem many happy days I squandered, Many de songs I sung. When I was playing wid my brudder Happy was I. Oh! take me to my kind old mudder, Dere let me live and die. (CHORUS x2) All de world am sad and dreary, Eb'ry where I roam, Oh! darkeys how my heart grows weary, Far from de old folks at home. One little hut among de bushes, One dat I love, Still sadly to my mem'ry rushes, No matter where I rove When will I see de bees a humming All round de comb? When will I hear de banjo tumming Down in my good old home? (CHORUS x2) All de world am sad and dreary, Eb'ry where I roam, Oh! darkeys how my heart grows weary, Far from de old folks at home. |
スワニー河を下った はるか、はるか向こう そこにはわたしの心がずっと求め続けている場所があり そこにはなつかしい仲間たちが暮らしている 今はあてどもなく、あちこちを 悲しくわたしはさまようが それでもなお、あのなつかしいプランテーションを そして故郷のなつかしい仲間たちを思い出す (合唱2回繰り返し) 世界中を悲しく疲れ切って どこへでもわたしはさまよう おお、なんとわたしの心は重く沈むのか 故郷の人と遠く離れてしまって ちいさな農場をぐるっと駆け回ったもんだ 小さい子供のころは あのころは、楽しい日々が続き たくさんの歌を歌った 兄弟と遊んだときも わたしは幸福だった おお、わたしを大好きな年老いた母のもとに返してくれ! そこで暮らしたいのだ (合唱2回繰り返し) 世界中を悲しく疲れ切って どこへでもわたしはさまよう おお、なんとわたしの心は重く沈むのか 故郷の人と遠く離れてしまって 茂みの中の小さな小屋が わたしの好きな場所だった 今も思い出すと悲しくなる どこをさまよっているときでも ぶんぶんいう蜂たちにいつ会えるのだろう あの巣の周りを巡る蜂たちに? 響くバンジョーをいつ聞けるのだろう わたしのなつかしい家で? (合唱2回繰り返し) 世界中を悲しく疲れ切って どこへでもわたしはさまよう おお、なんとわたしの心は重く沈むのか 故郷の人と遠く離れてしまって |
フォスターの傑作として名高く、「故郷の人々」として日本でも広く歌われている曲ですが、原詞をこれもじっくりと読んでみるととっても悲しい歌なのでした。英語の詩をご覧頂ければおわかりの通り、かなり言葉が訛っていますが、これは英語の教育をきちんと受けていない黒人奴隷たちののスラングを表したもののようです。彼が生まれ育ったプランテーションにいられなくなり(売られたのか追放されたのか、はたまた生活の苦しさに逃げ出したのかは分かりませんが)、それでも故郷のプランテーションを思って泣く、という歌と解釈すれば良いでしょうか。白人の芸人が顔を黒く塗って歌うミンストレルショーで歌われたこの歌ですが、この悲愴な味わいは日本語に訳されてしまうと出てこなくなり、日本ではちょっとセンチメンタルな故郷を想う歌になってしまっています。1851年の作品です。
もっとも、この歌が明治20年代に初めて日本に紹介されたときには他の多くの唱歌同様、原詩とは全く違った詩が付いていました。アンデルセンの童話「マッチ売りの少女」をイメージしたと言われているその詩の題は「あわれの少女」。テーマは違っていますがこちらの詩の方がこの曲の湛える深い悲しみをうまく拾えているのかも知れません。
吹き捲く風は顔を裂き
みるみる雪は地に満ちぬ
あわれ素足のおとめ子よ
別れし母をよばうらん
つづれの衣のやれまより
身を刺す寒さいかほどぞ
あわれぬれゆくおとめ子よ
世になき家をたづぬらん
黄金の柱 玉の床
世界は同じうちなるに
あわれこごえしおとめ子よ
たたずむ軒のうずもれぬ
(大和田建樹 詞)
( 2004.10.19 藤井宏行 )