TOPページへ  更新情報へ  作曲者一覧へ


If I can stop one Heart from breaking    
 
誰かの心が壊れるのをとめられるなら  
    

詩: ディキンソン (Emily Elizabeth Dickinson,1830-1886) アメリカ
      If I can stop one Heart from breaking

曲: リューニング (Otto Luening,1900-1996) アメリカ   歌詞言語: 英語


If I can stop one Heart from breaking
I shall not live in vain
If I can ease one Life the Aching
Or cool one Pain

Or help one fainting Robin
Unto his Nest again
I shall not live in Vain
              #919

誰かの心が壊れるのをとめられるなら
私は無駄には生きていないのだろう
誰かの人生の苦痛を癒し
痛みをやわらげられるのなら

気を失った駒鳥を
その巣に戻してあげられるのなら
私は無駄には生きていないのだろう
                #919

エミリ・ディキンソンの詩の中でもかなり人気の高い一篇。ネットで検索してもごろごろ取り上げているサイトが引っかかってきました。意外と国内でアメリカの詩人を詳しく紹介しているサイトは少ないのでこの詩が飛びぬけて人気が高いのは特筆すべきことでしょう。確かに彼女の孤高の魂が輝いている素敵な詩です。面白いのは彼女の詩に頻繁に使われるダッシュ(-)がひとつもないこと。この詩にもアメリカの作曲家オットー・リューニングが曲を付けており、シンプルなメロディとともに印象に残ります。礼拝でオルガン伴奏かなにかで真面目に歌うことを狙っているかのような1分もかからない賛美歌風の曲ですが、繰り返し聴いていくうちに心に染み入ってきます。彼女の詩はニューイングランドの賛美歌のスタイルをベースに書かれているのだそうで、そこの出身者にはそのつながりは明確に感じられるのでしょう。確かにこんな感じの賛美歌風の曲も他にもいくつかあります。
録音は同じ作曲家の「希望は羽の生えた小鳥」のところで紹介した2枚。どちらも素敵です。

( 2004.10.16 藤井宏行 )


TOPページへ  更新情報へ  作曲者一覧へ