Auf meines Kindes Tod Op.20-8 Lieder nach Gedichten von Uhland und Eichendorff |
わが子の死に寄せて ウーラントとアイヒェンドルフの詩による歌曲 |
Von fern die Uhren schlagen, Es ist schon tiefe Nacht, Die Lampe brennt so düster, Dein Bettlein ist gemacht. Die Winde nur noch gehen Wehklagend um das Haus, Wir sitzen einsam drinne Und lauschen oft hinaus. Es ist,als müßtest leise Du klopfen an die Thür, Du hätt'st dich nur verirret, Und kämst nun müd' zurück. Wir armen,armen Thoren! Wir irren ja im Graus Des Dunkels noch verloren - Du fand'st dich längst nach Haus. |
遠くで時計の打つ音が聞こえる もう夜も深まった ランプはほの暗く灯り お前のかわいいベッドは調えられている 風はいまだに吹く 家の周りを悲しげな音を立てて 私たちは部屋に寂しく坐り 何度となく外の音に耳をすます まるでかすかに願っているかのように お前がドアを叩くのではないかと お前は道に迷っているだけで 今にも疲れて帰ってくるのではないかと 私たちは哀れな、哀れな愚か者だ! 私たちこそが道に迷い怯え 暗闇に我を見失っているのではないのか・・・ お前はとうに家に着いているというのに |
先日マーラー=リュッケルトの「子供たちの死の歌集」に続いて訳したものです。リュッケルトと同じくアイヒェンドルフも自身の子を失った体験から創作した彼の代表作の一つとされる作品で、10編からなる長大なものですが、シェックが作曲したこの第7番のほか、第3番にレーガーなどが作曲しています。ウーラントとアイヒェンドルフの14編の詩による歌曲集作品20に含まれ、詩としては、マーラーが作曲したことで今日知られているリュッケルトの作品よりも独立性の強いものですが、シェックの作曲は情景と葛藤を的確に描いた感銘深い作品に仕上がっていると思います。第3節のはじめの二行は「冬の旅」の「道しるべ」のように同音の連続によって語るように歌われます。 演奏は往年の名花ローテンベルガーのLP(エンジェル)、バリトンのニクラウス・テューラー(仏アコール)など。
( 2004.10.03 甲斐貴也 )