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Pueblito mi pueblo    
 
私のふるさと  
    

詩: シルヴァ ヴァルデス (Francisco Silva y Valdés,1873-1940) スペイン
      

曲: グアスタヴィーノ (Carlos Guastavino,1912-2000) アルゼンチン   歌詞言語: スペイン語


Pueblito,mi pueblo.
Extraño tus tardes.
Querido pueblito
no puedo olvidarte.

¡Cuánta nostalgia ceñida
tengo en el alma esta tarde!
¡Ay! si pudiera otra vez,
bajo tus sauces soñar,
viendo las nubes que pasan.

¡Ah! y cuando el sol ya se va,
sentir la brisa al pasar
fragante por los azahares.

Pueblito,mi pueblo.
Extraño tus tardes.
Querido pueblito
no puedo olvidarte.

ふるさとよ、私のふるさと
なつかしいその夕暮れ
いとしいふるさとよ
おまえを決して忘れはしない

何という郷愁が息づいているのだろう
私の魂のうちには この夕暮れに
ああ、もう一度できたなら
ふるさとの柳の木の下で夢を見ることが
過ぎ行く雲を眺めながら

ああ、そして太陽が沈んだら
そよ風が吹き過ぎるのを感じることが
オレンジの花の香りを運んで行きながら

ふるさとよ、私のふるさと
なつかしいその夕暮れ
いとしいふるさとよ
おまえを決して忘れはしない


 柳貞子さんのラテン歌曲を中心としたギター伴奏の歌の録音「アモール・イ・パズ」、冒頭を飾るのはアルゼンチンのリリシスト、カルロス・グアスタヴィーノのこの曲です。
彼の歌曲というと、アンデスのフォルクローレを思わせる哀愁に満ちた曲(以前ご紹介した「ひとめあったその日から」など)や、大平原に沈む夕日を思わせるような悲しい旋律の歌曲(有名なのは「バラと柳」など)があまりに印象的で、この曲は今まで私もあまり気に留めてはいなかったのですが、それはこの曲がしみじみと、しかしとても控えめに懐かしいふるさとの情景を噛み締めているからでしょうか。

そんな慎ましやかな曲ですから、柳貞子(ヴォーカル)&柴田杏里・永塚節(ギター)で演奏される、温かみに溢れたこの演奏で聴くと実にいい。
心に染み入ってくるようなやさしい響きです。

ゆったりとしたタンゴのリズムに乗ってひたすらやさしく歌われるこの歌、決して悲しいメロディではないのですが、なぜだかとても切なくなります。

とても気に入ったので、他の手持ちのグアスタヴィーノ歌曲集を調べて見たら、Nimbusにあるラウル・ヒメネスのテナーによるアルゼンチン歌曲集、New Albionにある同じくテナーのエスパラットによるグアスタヴィーノ歌曲集にもこの曲は収録されていました。これらも清清しい歌で良いのですが、どうもピアノ伴奏だといまひとつ柳さんの盤ほどの魅力には乏しい感じ...
(ピアノ伴奏の方がオリジナルではあるのですが...)
柳さんの演奏が、普通歌われるよりもかなり遅目のテンポでしっとりと歌っているのがその理由でしょうか。

( 2004.09.05 藤井宏行 )


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