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Angel    
 
天使  
    

詩: レールモントフ (Mikhail Yur'yevich Lermontov,1814-1841) ロシア
      Ангел (1831)

曲: ヴァルラーモフ (Alexander Varlamov,1801-1848) ロシア   歌詞言語: ロシア語


Po nebu polunochi angel letel,
i tikhuju pesnju on pel;
i mesjats,i zvezdy,i tuchi tolpoj
vnimali toj pesne svjatoj.

On pel o blazhenstve bezgreshnykh dukhov
pod kushchami rajskikh sadov,
o Boge velikom on pel,i khval
a ego nepritvorna byla.

On dushu mladuju v ob”jatijakh nes
dlja mira pechali i slez;
i zvuk ego pesni v dushe molodoj
ostalsja bez slov,no zhivoj.

I dolgo na svete tomilas’ ona,
zhelaniem chudnym polna,
i zvukov nebes zamenit’ ne mogli
ej skuchnye pesni zemli.

真夜中の空に天使が飛んでいた
そして安らかな歌を歌っていた
月も、星たちも、雲の群れも
その聖なる歌を聞いていた

天使は穢れなき精霊の至福を歌っていた
天国の庭の木陰に憩う精霊の
偉大な神のことを天使は歌い、讃えた
その歌に欠けたるところはなかった

天使は若い魂を抱いて運んだ
悲しみと涙に満ちた世界のため
天使の歌の調べは若い魂の中へ
言葉なくして残った、生き続けた

それからずっと魂はこの世で苦しんだのだ
不思議な望みに胸ふさがれて
天の調べに何物も置き換わることはできなかった
地上の退屈な歌たちはみな


レールモントフの詩の中でも人気が高く、リムスキー=コルサコフやラフマニノフなどがメロディをつけています。おそらくは詩人と同時代を生きたヴァルラーモフがつけた歌曲が先鞭をつけたくらいではないかと思いますが、それでも詩人が若き命を落としたあとのことでした。
ロシアン=ロマンスでも初期の作品ですので澄み切った抒情が美しいです。

( 2016.11.08 藤井宏行 )


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