Angel |
天使 |
Po nebu polunochi angel letel, i tikhuju pesnju on pel; i mesjats,i zvezdy,i tuchi tolpoj vnimali toj pesne svjatoj. On pel o blazhenstve bezgreshnykh dukhov pod kushchami rajskikh sadov, o Boge velikom on pel,i khval a ego nepritvorna byla. On dushu mladuju v ob”jatijakh nes dlja mira pechali i slez; i zvuk ego pesni v dushe molodoj ostalsja bez slov,no zhivoj. I dolgo na svete tomilas’ ona, zhelaniem chudnym polna, i zvukov nebes zamenit’ ne mogli ej skuchnye pesni zemli. |
真夜中の空に天使が飛んでいた そして安らかな歌を歌っていた 月も、星たちも、雲の群れも その聖なる歌を聞いていた 天使は穢れなき精霊の至福を歌っていた 天国の庭の木陰に憩う精霊の 偉大な神のことを天使は歌い、讃えた その歌に欠けたるところはなかった 天使は若い魂を抱いて運んだ 悲しみと涙に満ちた世界のため 天使の歌の調べは若い魂の中へ 言葉なくして残った、生き続けた それからずっと魂はこの世で苦しんだのだ 不思議な望みに胸ふさがれて 天の調べに何物も置き換わることはできなかった 地上の退屈な歌たちはみな |
レールモントフの詩の中でも人気が高く、リムスキー=コルサコフやラフマニノフなどがメロディをつけています。おそらくは詩人と同時代を生きたヴァルラーモフがつけた歌曲が先鞭をつけたくらいではないかと思いますが、それでも詩人が若き命を落としたあとのことでした。
ロシアン=ロマンスでも初期の作品ですので澄み切った抒情が美しいです。
( 2016.11.08 藤井宏行 )