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I bought me a cat    
  Old American Songs 1
私は猫を買ってきた  
     古いアメリカの歌 T

詩: 英語の民謡 (Folksongs,-) 
      

曲: コープランド (Aaron Copland,1900-1990) アメリカ   歌詞言語: 英語


I bought me a cat,
My cat pleased me,
I fed my cat under yonder tree.
My cat says fiddle eyes fee.

I bought me a duck,
My duck pleased me,
I fed my duck under yonder tree.
My duck says “Quaa,Quaa”
My cat says fiddle eyes fee.

私は猫を買ってきた。
この猫は私のお気に入り
あそこの木の下でご飯をあげた。
猫がいった。「Fiddle Eye Fee」
...
私はアヒルを買ってきた。
このアヒルは私のお気に入り
あそこの木の下でご飯をあげた。
アヒルがいった。「Quaa Quaa」
猫がいった。「Fiddle Eye Fee」

(以下動物が増えながら続きます)

  アメリカの歌というと、ネイティブの歌は別格としても、私にはガーシュウィンよりも、コール・ポーターよりも、フォスターよりもこの10曲からなる歌曲集にまず食指が動きます。清教徒の讃美歌から南部の子守歌・黒人のバラードとアメリカの様々な顔を寄せ集め、聴かせてくれるこのシリーズ、ここに挙げたナンセンスなわらべ歌の他にも、クエーカー教徒の美しい讃美歌「Simple Gift」(有名な管弦楽曲「アパラチアの春」に使われているメロディー)や、あの「たんたんたぬきの××は...」の原曲に違いないと思うほどよく似ている黒人霊歌「At the river」(あのメロディが敬虔に、感動的に歌われるのにはちょっと赤面してしまう)など、印象的な歌が目白押しです。
コープランド作曲というよりは、編曲のものが多いのでしょう。やはり民謡にこそ歌の本当の命があるということなのかも知れません。
中でもこの「I bought me a cat」、買ってくる動物がDuck(アヒル)、Goose(ガチョウ)、Hen(メンドリ)、Pig(ブタ)、Cow(牝牛)と次々に増えていき、その鳴き声でどんどん賑やかになっていくとても楽しい歌で、最後には「Wife」まで買ってきてしまうデタラメさが良いです。動物の鳴き声を「ガアカア・ブーブー・ヒヒーン・ヒヒーン…」と(原曲ではもちろん英語で鳴きます)うまく歌いわけるのが難しそうです。
その辺はアメリカの名歌手、トーマス・ハンプソンなんかがうまく料理してくれていてとても面白いのですが、私がこの曲の歌唱でとても印象に残っているのは何かの記念演奏会でマリリン・ホーンが歌っていた録音で、この曲をこれほど貫禄たっぷりに歌うのも大変な芸術だなと思ったものです。
アメリカの歌手はストラータスにしてもマクネアーにしてもミュージカルからなにからこなして芸達者な人が多くて良いですね。
(ちなみに「Wife」がなんと鳴いているかは聴いてのお楽しみと いうことで...)

( 1999.01.04 藤井宏行 )


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