Heb' auf dein blondes Haupt und schlafe nicht Italienisches Liederbuch |
ブロンドの頭をあげておくれ、眠るんじゃないぞ イタリア歌曲集 |
Heb' auf dein blondes Haupt und schlafe nicht, Und laß dich ja von Schlummer nicht betören. Ich sage dir vier Worte von Gewicht, Von denen darfst du keines überhören. Das erste: daß um dich mein Herze bricht, Das zweite: dir nur will ich angehören, Das dritte: daß ich dir mein Heil befehle, Das letzte: dich allein liebt meine Seele. |
ブロンドの頭をあげておくれ、眠るんじゃないぞ。 まどろみの誘惑に負けないようにな。 僕は君に大切なことを四つ言っておこうと思う。 少しも聞き漏らすんじゃないよ。 一つ、僕の心は君のせいで破裂してしまう。 二つ、僕はただ君だけのものになりたい。 三つ、僕の幸せは君に委ねている。 四つ、君だけを僕の魂は愛しているんだ。 |
それまで彼女との戯れに興じていた男が、突然真顔になっていかに彼女のことを愛しているかを語り出すといったシチュエーションだろうか。
彼女をものにしようとする男の口説き文句なのか、それとも愛する恋人への誠実な愛情表現なのか、演奏者の解釈によるだろう。
シチリアーノのリズムはシューベルトのハイネ歌曲「漁師の娘」の軽薄な口説き男を想起してしまうのだが。
スゼー&ボールドウィン:誠実なスゼーの美声でこのようにささやかれたら女性はいちころか?
スコウフス&ヴィイタサロ:つやのある温かい歌と巧みな語り口に、安定したピアノで文句なし。
プライ&ムーア:プライの甘い美声は愛の告白にぴったりだ。
F=ディースカウ&ムーア:シンプルな表現が印象的。ムーアの後奏も美しい。
( 2003.12.28 フランツ・ペーター )