寄宿舎の古釣瓶 |
|
繩こそ朽ちたれ この古つるべ 桶こそ痛めれ この古つるべ 学期試験の準備につとめし 幾千(いくち)の学生が脳充血を 冷やして癒さん氷となりぬ 彼等が事業(わざ)を助けん為に 雨の日雪の日つるべのなわの 休まる時なく汲まれしつるべ 屋根もる月こそ昔を知らめ 箍(たが)こそ撥ねたれ この古つるべ 苔こそむしたれ この古つるべ 運動会の 競技にきおいし 幾その侠児(チヤンピオン)が背中の汗を 洗いて落さん浴湯(あみゆ)となりぬ 彼等が元気を回(かえ)さん為に 夏の日冬の日轆轤(ろくろ)の音の 絶えにし暇なく汲まれしつるべ 軒ふく風こそ昔を知らめ |
|
言葉こそ古くなってしまいましたが、この曲なかなか素敵です。試験勉強とか運動会とか、今の学生たちにも共感できる内容を小山のユーモアあふれる音楽が優しく包み込んでいます。忘れ去られてしまうには惜しい歌だと私などは思いますけれども。
( 2016.10.23 藤井宏行 )