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Heidenroslein    
 
野ばら  
    

詩: ゲーテ (Johann Wolfgang von Goethe,1749-1832) ドイツ
      Heidenroslein (1771)

曲: ライヒャルト (Johann Friedrich Reichardt,1752-1814) ドイツ   歌詞言語: ドイツ語


Sah ein Knab’ ein Röslein stehn,
Röslein auf der Heiden,
War so jung und morgenschön,
Lief er schnell es nah zu sehn,
Sah’s mit vielen Freuden.

Röslein,Röslein,Röslein rot,
Röslein auf der Heiden.


Knabe sprach: ich breche dich,
Röslein auf der Heiden!
Röslein sprach: ich steche dich,
Daß du ewig denkst an mich,
Und ich will’s nicht leiden.

Röslein,Röslein,Röslein rot,
Röslein auf der Heiden.


Und der wilde Knabe brach
’s Röslein auf der Heiden;
Röslein wehrte sich und stach,
Half ihr doch kein Weh und Ach,
Mußt es eben leiden.

Röslein,Röslein,Röslein rot,
Röslein auf der Heiden.

ひとりの男の子が見かけました 一本のバラが咲いてるのを
荒れ野の上の野バラを
とても若くてキレイだったので
彼は駆け寄りました もっと近くで見ようと
バラをじっと見たのです 嬉しさ一杯に

バラよ バラよ 赤いバラ
荒れ野の上の野バラよ


男の子は言いました 「君を摘み取るよ
荒れ野の上の野バラちゃん!」。
バラは答えました 「あんたをトゲで刺すわよ
永遠にあたしのことを思い続けるようにね
あたし 苦しみたくないんだもの」

バラよ バラよ 赤いバラ
荒れ野の上の野バラよ


けれど乱暴な男の子は摘み取ったのです
荒れ野の上の野バラを
野バラは抵抗して刺しましたけど
無駄でした 嘆きも叫びも
されるがままだったのです

バラよ バラよ 赤いバラ
荒れ野の上の野バラよ


シューベルトのつけた曲が圧倒的に有名ですが、ゲーテの信頼厚かったライヒャルトもこの詩にはメロディをつけています。シューベルトと同傾向の素朴な民謡調ですのでこの詩に含まれているダークな状況は微塵もありませんが、なかなかに美しい曲です。ヘルマン・プライが楽しそうに歌った録音を聴くことができました。

( 1998.06.20 藤井宏行 )


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