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Wer rief dich denn? Wer hat dich herbestellt    
  Italienisches Liederbuch
一体誰があんたを呼んだのよ  
     イタリア歌曲集

詩: ハイゼ (Paul Heyse,1830-1914) ドイツ
    Italienisches Liederbuch-Rispetti 120 Wer rief dich denn? Wer hat dich herbestellt 原詩:イタリア詞

曲: ヴォルフ (Hugo Wolf,1860-1903) オーストリア   歌詞言語: ドイツ語


Wer rief dich denn? Wer hat dich herbestellt?
Wer hieß dich kommen,wenn es dir zur Last?
Geh zu dem Liebchen,das dir mehr gefällt,
Geh dahin,wo du die Gedanken hast.
Geh nur,wohin dein Sinnen steht und Denken!
Daß du zu mir kommst,will ich gern dir schenken.
Geh zu dem Liebchen,das dir mehr gefällt!
Wer rief dich denn? Wer hat dich herbestellt?

一体誰があんたを呼んだのよ?誰があんたを呼び出したわけ?
あんたの重荷になるんだとしたら、それでも来るように言ったのはどいつよ?
もっとお好きな恋人の所にお行きなさい。
あんたが思っている所に行くがいいわ。
あんたの頭の中を占めている女の許へと、さっさと行ってしまえ!
あたしの所に来る義務から喜んで解放してあげるわよ。
もっとお好きな恋人の所に行きなさいよ!
一体誰があなたを呼んだのよ?誰があなたを呼び出したの?


「イタリア歌曲集」の中でも、オペラの一場面を見ているかのような強烈な印象を受ける曲で、女声歌手にとっても演技力を披露出来る人気の高い作品の一つである。
この曲の聴かせどころは、強気な態度を装いながらも、隠し切れない彼女の本心をいかに表現しているかという点に尽きると思う。ただがむしゃらにわめき散らすだけでは、この曲の真意を伝えているとはいえないだろう。

シュヴァルツコプフ&ムーアは、焦燥感が解釈の中心だが、最後の未練たっぷりの表情はさすがである。ムーアは若干遠慮気味で、さらなる切れ味が欲しい。
アーメリング&ゲイジは表情の付け方が繊細で、2行目のLast(負担)や最終行のherbestelltなどの声の表情は素晴らしい。ゲイジも色彩感豊か。
アップショー&ドイチュは感情の起伏の大きいドラマティックな歌いぶりで、面白く聴ける。ドイチュの演奏は間合いといいリズム感といい、最高の名演奏!
ボニー&パーソンズは余裕のある声でのびのびと歌っていて、変に細工しない所がかえって新鮮だ。
ほかにはコトルバシュ&パーソンズ、ロット&ジョンソン、ツィーザク&アイゼンローアがいい演奏だった。

( 2003.9.22 フランツ・ペーター )


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