Ein Jüngling liebt ein Mädchen Op.6-3 Fünf Gesänge |
ひとりの若者が娘に恋をしたが 5つの歌 |
Ein Jüngling liebt ein Mädchen, Die hat einen andern erwählt; Der andre liebt eine andre, Und hat sich mit dieser vermählt. Das Mädchen nimmt aus Ärger Den ersten besten Mann, Der ihr in den Weg gelaufen; Der Jüngling ist übel dran. Es ist eine alte Geschichte, Doch bleibt sie immer neu; Und wem sie just passieret, Dem bricht das Herz entzwei. |
ひとりの若者が娘に恋をしたが その娘は別の男を選んだ だが選んだその男はまた別の娘を愛して そっちの娘と結婚しちまった 振られた娘は選んだんだ 怒りの余りに たまたま会った最初の男 道で彼女がばったり会っただけのやつを 若者はひどく傷ついた これは昔の物語 だけどいつでも新しく起こる 誰であれこんなことに見舞われりゃ 心が真っ二つに割れてしまうだろうさ |
ノルウェーの作曲家アルネスの作品5はすべてドイツ語の歌詞です。うち3曲はバーンズの詩をドイツ語に訳したものにつけており、2曲はハイネの詩です。特に面白いのはこの3曲目。シューマンの「詩人の恋」でも取り上げられて、そちらでは失恋した主人公の自嘲に満ちた激しいユーモラスな歌でしたが、こちらはしっとりと美しく歌われ、自虐のかけらもない全然雰囲気の違う曲です。シューマンの方になじんでいると違和感バリバリですが、これはこれで説得力のある良い曲です。
( 2016.09.23 藤井宏行 )