Far in a western brookland Ludlow and Teme |
彼方の西の小川の地 ラドロウとテイム |
Far in a western brookland That bred me long ago The poplars stand and tremble By pools I used to know. There,in the windless night-time, The wanderer,marvelling why, Halts on the bridge to hearken How soft the poplars sigh. He hears: no more remembered In fields where I was known, Here I lie down in London And turn to rest alone. There,by the starlit fences, The wanderer halts and hears My soul that lingers sighing About the glimmering weirs. |
彼方の西の小川の地 ぼくがずっと昔生まれ育ったところ ポプラが立って揺れている ぼくの良く知ってる池のほとりで あそこでは 風のない夜 さすらい人が 不思議そうに 橋の上で立ち止まり 聞き耳立てる 何と静かにポプラはため息つくのかと 彼は聞くのだ: もはや思い出されまい 自分の知られていたあの野原にあっても ここで自分は横たわるのだ ロンドンで そして安らぎ始めるのだ ただひとりで あそこの 星に照らされた垣根のそば さすらい人は立ち止まり そして聞くのだ わが魂がため息つきつつ留まるのを ぼんやりと光る沼のまわりに |
歌曲集2曲目はしっとりと内省的に。故郷喪失の詩のようですが決して暗く沈むことはなく、ゆったりとしたメロディが淡々と流れて行きます。声と弦との絡み合いがとにかく見事。詩集では52番目の詩です。
( 2016.09.10 藤井宏行 )