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The Dream of a Girl who Lived at Seven-Oaks    
  Nonsense Madrigals
セブン・オークスに住んでいたひとりの少女の夢  
     ナンセンス・マドリガルズ

詩: ランズ (William Brighty Rands,1823-1882) イギリス
      

曲: リゲティ (Gyorgy Ligeti ,1923-2006) ハンガリー→オーストリア   歌詞言語: 英語


Seven sweet singing birds up in a tree;
Seven swift sailing ships white upon the sea;
Seven bright weather-cocks shining in the sun;
Seven slim race-horses ready for a run;
Seven gold butterflies,flitting overhead;
Seven red roses blowing in a garden bed;
Seven white lilies,with honey bees inside them;
Seven round rainbows with clouds to divide them;
Seven pretty little girls with sugar on their lips;
Seven witty little boys,whom everybody tips;
Seven nice fathers,to call little maids joys;
Seven nice mothers,to kiss the little boys;
Seven nights running I dreamt it all plain;
With bread and jam for supper I could dream it all again!

七羽のかわいい歌う鳥たち 木の中の
七艘のすばやい白の帆掛け船 海の上の
七つの明るい風見鶏 太陽の下で輝いてる
七頭の細身の競走馬 今にも駆けださんばかりの
七匹の金色の蝶々 頭上を飛び回る
七輪の赤いバラ 庭の花壇に咲いた
七本の白いユリ ミツバチたちがその中に居る
七条の丸い虹 雲がそれを分かつ
七人のかわいい小さな女の子たち 口にお砂糖をつけた
七人のかしこん小さな男の子たち みながチップをあげる
七人の気の良い父親たち 小さな娘たちを喜びと呼ぶ
七人の気の良い母親たち 小さな息子たちにキスする
七晩たてつづけに わたしそんな夢を見たの はっきりと
ジャム付パンを夕食にしたら また同じ夢を見るかもしれない! 

リゲティ円熟期のアカペラ混声合唱曲、彼の得意なクラスター的手法と中世のポリフォニーの手法とが不思議に混じり合って奇妙な情感を醸し出します。歌詞にはヴィクトリア朝のイングランドの英語のユーモア詩が取り上げられています。かなりデフォルメされているのでユーモラスな情感というのはあまりないかも知れませんが、鮮烈な声の響きはなかなかに面白い聴きものになっています。初めの部分は19世紀のランズのもの。7と9が取り上げられておりますので他の数字の詩もあるのかと思いましたがそれは見つけられませんでした(絶対にありそうな気はしますが)。しつこいまでの「Seven」の繰り返しと、断片的に聴こえてくる様々な単語がユニークです。

( 2016.08.09 藤井宏行 )


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