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Gringa Chaqueña    
  Mujeres Argentinas
チャコの異人の女  
     アルヘンティーナの女

詩: ルナ (Félix Luna,1925-2009) アルゼンチン
      

曲: ラミレス (Ariel Ramirez,1921-2010) アルゼンチン   歌詞言語: スペイン語


詩:著作権のため掲載できません。ご了承ください
今お前は安息と労働の揺籠
私が住んだ時は全く不毛の地だったのに
花のない山 インディオの群れとキャンプ
茨の野 苦役と十字架

わが同胞の血が お前の大地を豊かにした
異国の入植者が身をすり減らした 肌を焦がし汗を流して
言わせておくれ 私がお前にしたことを
語らせておくれ チャコの地に私がなしたことを

私はお前を耕し お前の地肌に作った 新しい影を
私はお前に綿をあげた 子どもたちをあげた 収穫の顔の
チャコの山国よ 荒れたトーバよ 私は完全な女だった
お前の空虚な土地は ひとつの大きな揺り籠

お前の不毛な地を 私は豊かなものとした
新しい月ごとに
そしてお前に命を捧げながら 私は感じていた
私は異国の出 けれどチャコの女なのだと

(詞は大意です)

メルセデス・ソーサの絶唱で歴史に残るであろう歌曲集「アルヘンティーナの女」、5曲目の「アルフォンシーナと海」ばかりがもてはやされますが他の7曲も印象的な曲ばかり。アルゼンチンの歴史上の様々な女性たちの姿を描き出しています。全体に逞しい女性が多く取り上げられているのはお国柄でしょうか。とても興味深いところです。第1曲目は開拓に骨を折った無名の女性たち。チャコというのはアルゼンチンの北部 ほとんどパラグアイ国境に近い亜熱帯の密林だったところです。そこに入植したのがヨーロッパを追われた白人たち。血のにじむような苦しみの末にこの肥沃な土地に変えた姿を描き出します。冒頭の重々しい朗唱が、「わが同胞の血が」のところからテンポを上げて力強いメロディを繰り広げていきます。

( 2016.08.07 藤井宏行 )


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